炭治郎の双子の妹は、人間だけど無惨様と上弦の鬼に愛されています【鬼滅の刃】

＊2話 家族と一緒になりたい＊ ページ4

無惨様の匂いが揺れた。



「駄目だ」



「どうしてですか？私は…私は呼吸が使えます。必ず役に立ちます。だから…」



「私はお前を鬼にはしない」



「…っ」



無惨様に頬を掴まれる。整った顔が間近に迫る。



「いい加減諦めろ」



それだけ言うと、スっといなくなってしまった。



ふぅう〜と息を吐く。



私は、無惨様や上弦のみんなの力になりたい。



今までお世話になった分、返していきたい。



「また…駄目だったようだな…」



「黒死牟さん。聞いてたんだね」



いつの間にか後ろに立っていたのは、1番お世話になっている黒死牟さん。気配がしないのはいつものこと。慣れてしまった。



「あぁ…。私も…Aが鬼になるのは反対だ…」



「むー。じゃあ、私を喰べて！」



「大事に育ててきたお前を…喰うことなんぞ出来ぬ…」



「そっかぁ。じゃあ、喰べられるのは諦める。でも、鬼になるのは諦めない！」



「そうか…」



黒死牟さんから微かに寂しい匂いがする。



そんなに諦めてほしいのかな。でも、私は黒死牟さんと…"家族"と一緒になりたい。

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