【鬼滅の刃】鬼殺の隊士専門の遊女

＊19話＊ ページ19

「もう、なんで居間でしたの…！体が痛い…！」



ムスッとして義勇に言う。すまん、と相変わらずな無表情で言われる。



寝室へと移動した私たちは同じ布団に入り、添い寝をしていた。



解いた髪を義勇が弄ぶ。なんだかその姿が凄く艶やかで。



義勇に対する免疫がなかったら鼻血出てただろうなぁ…と漠然と思う。



「…顔に何かついているか？」



「えぇ。綺麗な目と鼻と口がついてる」



「…？」



あぁ、いけない。ボーッとしてたから、変なことを言ってしまった。



義勇は意味がわかっていないようで首を傾げる。顔がいいのを自覚してないのか、この野郎は。



「A。お前はやはり宇髄の求婚を受けるのか？」



「えっ、なに、なに急に」



「…俺は気がつかなかったが、お前のことを好いている者はたくさんいるようだ。中でも宇髄は本気でお前を嫁にしようとしている」



まぁ…何人か好意を寄せてくれているのは知っているけれど…



そうだな、求婚してくれたのは今のところ義勇と天元の2人だ。



結婚したいとは思っているが、正直錆兎のことがあったから、2人からの求婚は受けようとは考えていない。



だが、鬼殺隊士としか出逢いがないのも事実。



今もまだ柱として鬼殺隊に所属していたら、どちらかの求婚を受け入れていたかもしれない。



死んでほしくないのならば、自分が強くなって鬼を斬ればいい。



身代わりにだってなることができるだろう。



しかし、今の私にはそれができない。



だって…私は…



「私は、鬼殺隊士失格だから…柱である天元とは結婚できないよ」

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