＊5話＊ ページ6
「想い人かぁ…」
ぱっと頭に浮かんだのは、家族が殺された日に鬼の首を斬る義勇さんの姿。月夜に浮かぶその姿はまるで水神様かのようであった。
その日、私は初めて恋をした。憧れに近い恋。
でも…今は…
「今はいないかなぁ」
正直好きとかよく分からなくなってしまった。義勇さんと一緒にいる時間が多くなって、恋から憧れへとなってしまったような気がする。
「そう言う炭治郎はどうなの？」
「えっ、俺ですか！？」
少し悩むと意を決したように私の方に体を向けた。
並々ならぬその雰囲気に、私も彼の方を向く。
「お、俺は…その、…Aさん…です」
耳まで真っ赤な炭治郎。可愛いなぁ。
…って、
「えぇえ！？」
な、なんで私なんかのことを…？
考えていることがわかったんだろう炭治郎は、
「Aさんは暇があれば俺たちに稽古をつけてくれて…気にかけてくれて、一緒にいるうちに気づけば好きになっていたんです。
Aさんといると心地が良くて…ずっと一緒にいたいと思ったんです」
炭治郎はそう言って笑った。貴女は優しくて温かい人だ、とも。
「本当は言うつもりはなかったんですけど…想い人と同衾しなければここを出られないということなら、やっぱり言うしかないと思いました」
少し悲しそうな顔をして、炭治郎は微笑む。
「禰豆子を人間に戻すためにも…俺はここで立ち止まるわけにはいかないんです」
その表情は、慈愛に満ちた長男そのもの。
炭治郎が意を決して言ってくれたのだ。私もそれに応えなければ。
「炭治郎の気持ちはわかった。本来ならば婚前にそういうことはしてはいけないけれど…ここは血鬼術の中だからね…好きとかそういうのは私はよくわからないけど、それでも良ければ…」
そう言うと、炭治郎はふわっと笑った。何故かその表情にドキッと胸が鳴った。
「ありがとうございます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩 - 面白いですね！続き楽しみにしてます！ (2020年1月21日 13時) (
レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 陽雨さん» 返信遅くなってしまい、すみません(--;) ありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2019年12月31日 21時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
陽雨 - 面白いです。まぐわいをしなければって良いですね！更新頑張ってください！応援しております (2019年12月10日 12時) (レス) id: 60ccd0f591 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 黒蜜さん» はい、もちろんです！出すのは少し後にはなりますが、必ず出します！ (2019年12月8日 19時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜 - 伊黒さんをリクエストって出来ますか？ (2019年12月8日 19時) (レス) id: 70d9f117f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami☆
| 作成日時：2019年12月8日 19時
