*3話* ページ4
襖の先には布団とふたつの枕。
部屋の中を行燈が薄く照らしている。
うん、雰囲気凄く出てる。
「と、とりあえず座って話そっか」
布団に腰を下ろし、横に座るよう促す。
炭治郎は遠慮がちに座った。
「炭治郎はどうしてこの部屋が自分の部屋だと知ってたの?」
「楼主に言われたんです。今日からここの部屋がお前の部屋だと」
"それと、もうひとつ言われました"
炭治郎は私の手を取り、真っ直ぐと見据えてきた。
…なんだか、その瞳が熱を帯びている気がするのは気のせいだよね…?
「想い人とまぐわえばここから出られると」
「え…ま、まぐわえば出られるの!?お、想い人と!?」
な、なにそれ!? どういうこと!?
混乱しているのが分かったのだろう、炭治郎は「鬼の血鬼術の中だから本当かどうかは分かりませんが」と付け加えた。
「やっぱりこれは血鬼術のせいなのね…」
鼻が利く炭治郎が言うのなら、この状況は鬼の仕業なのだろう。
「楼主は嘘をついていると思う?」
「…分かりません。鬼の臭いがあまりにも濃いので…」
「そっか…あ、じゃあどうして私がいることに気づいたの?」
服装も髪型もいつもと違う。化粧もしている。しかも、外にはわんさか人がいる。
炭治郎は笑った。
「Aさんの匂いは不思議で…故郷を思い出すんです。
それに、夕暮れを纏った髪や閉じ込めた瞳はAさんくらいしかいませんし。だから、すぐ分かったんです」
そう言うと、今度ははにかんで
「Aさん、その格好良く似合ってます。その…き、綺麗…ですね」
ぽっ、なんて効果音がつきそうな程赤らんだ顔で言った。
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詩 - 面白いですね!続き楽しみにしてます! (2020年1月21日 13時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 陽雨さん» 返信遅くなってしまい、すみません(--;) ありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年12月31日 21時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
陽雨 - 面白いです。まぐわいをしなければって良いですね!更新頑張ってください!応援しております (2019年12月10日 12時) (レス) id: 60ccd0f591 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 黒蜜さん» はい、もちろんです!出すのは少し後にはなりますが、必ず出します! (2019年12月8日 19時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜 - 伊黒さんをリクエストって出来ますか? (2019年12月8日 19時) (レス) id: 70d9f117f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ami☆ | 作成日時:2019年12月8日 19時