＊15話 残るのは＊ ページ17
抱いてもらえば、心が満たされると思ってた。
高校生のときよりも引き締まり筋肉がついた身体を、より身近に感じた。
大きなゴツゴツとした手。
何度も何度も抱き締めて、焦凍は私の名前を呼んでくれた。
それなのに…
もう、高校生ではないんだと…子どもじゃないんだと実感すると、無性に虚しくなった。
「焦凍…起きてる…？」
「あぁ…」
背を向けている私には、焦凍の顔は見えない。
ただ、背中に温かな温もりを感じるだけ。
「…後悔、してない…？」
「してない。お前こそ…後悔してんじゃねぇのか？」
「…してない、よ…」
してない。そう、してない。
勝己を裏切った。 虚しさだけが胸を埋め尽くした。
それでも、後悔はしてない。しないって決めたんだ。
「でも、一つだけ…」
「なんだ？」
「…どんな顔して、勝己に会えば良いんだろ…」
「……お前、嘘つけねぇしな」
いつも通り、なんて無理だ。勝己のことだ、直ぐに気付かれてしまうだろう。
「へらへら笑って誤魔化せよ。下手に嘘つくよか良いだろ」
「へらへらかぁ。それなら得意かも」
クスクス私は笑う。
焦凍は私の頭を撫で…そして、軽く抱き寄せた。
「…帰るのか…？」
「…うん、そろそろね。朝帰りは流石にできないや」
「…そうか」
焦凍は回した腕の力を弱める。名残惜しく思いながらも、私は離れ立ち上がる。
乱れた服を整えていると、後ろからギュッと抱き締められた。
「ちょ、焦凍…！」
「少しだけ…少しだけ、頼む…」
甘えたようなその声に、私はただただ頷くしかなかった。
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ami☆(プロフ) - 瑞稀さん» そう言っていただけて嬉しいです！私も書いていて切なくなります…かっちゃんに幸あれ！ ありがとうございます、がんばりますね！ (2018年6月22日 20時) (
レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁぁあ！！すごく面白いです！！かっちゃんが一途で報われないのか…どっちも大好きなので切なくなります…更新楽しみにしてます！！ (2018年6月21日 13時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - ことんさん» ありがとうございます…！約一年後である今日、ようやく久しぶりに更新できました…！ (2018年6月18日 23時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ことん - うぉぉぉ！めっちゃ好みの話だ...笑更新楽しみにしてます！ (2017年6月3日 19時) (レス) id: 78ed17c17d (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 月海さん» そう言っていただけて嬉しいです…！(*´ω`*) 更新遅いですが、更新頑張りますね！！(*´∀｀) これからも宜しくお願いします！！m(_ _)m (2016年9月25日 22時) (レス) id: 1a2d93ed11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami☆
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/ami22665020
作成日時：2016年9月10日 21時
