*理由1 手入れから* ページ2
鶴丸視点
彼女がこの本丸にやって来たのは、丁度俺達が前の主に捨てられて1年後のことだった。
雪の降る寒い日、彼女は玄関先に捨てられていた。
彼女を見つけたのは俺。
その時も勿論、人は憎いと思っていたが、このまま誰かを主として迎え入れなかったら刀解されてしまうため、仕方無く世話をした。
前の主と同じになってしまっては困る、ということで、一期や光忠、加州や俺が自分達の言う事を聞くように教育した。
彼女は…Aは、可憐な少女に成長した。
俺達の言う事を聞く、可憐な少女に。
『A、手入れしてくれ』
『分かりました、鶴丸』
彼女は霊力が少ないのが玉に瑕であったが…いや、違うな。
俺達太刀以上長い刀種にとっては、それは嬉しいことでもあったな。
霊力が少ないが故、俺達を手入れすることができない。
…"手"では。
『なっ。つ、鶴丸、何をするのですか!?や…嫌ですっ。離してください…っ』
『政府からの資料で見たんだ。本丸の主が微量の霊力ならば、"身体を使った"手入れで刀剣の傷が癒えると』
Aは嫌がったが、そのことを伝えると大人しくなった。
潤んだ瞳で俺を見上げ、言った。
『…私…知ってると思いますが、初めてなので…その、や、優しくしてください…』
『あぁ。まぁ、手加減ができたらの話だが』
この日を境に、手入れは夜伽に変わった。
手入れ部屋の近くを通ると、いつもAの嬌声が聞こえてくる。
あぁ、そして今日も聞こえてくるんだろうな。
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しの - 更新頑張ってください (2019年7月16日 0時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
水面 - 更新ファイト!です♪ (2017年12月28日 23時) (レス) id: 9666acc8b2 (このIDを非表示/違反報告)
ダサクシャ522 - 更新頑張ってください!(⌒∀⌒)/シ (2017年7月27日 18時) (レス) id: 577bbc7a82 (このIDを非表示/違反報告)
零戦 - ami☆さんの作品新作出たらすぐ見てます!今回も続きがきになる・・・|¬`)けど、無理せずコツコツ更新頑張ってください!応援してます! (2016年8月13日 1時) (レス) id: d2dfc0a861 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ami☆ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ami22665020
作成日時:2016年8月12日 0時