＊8話 特別＊ ページ9
思考の海に深く沈んでいると、
「おい、A！俺様の話、聞いてんのか！？」
ガタガタと肩を揺らされ、意識を引き戻される。
ギルが不機嫌な顔をしてこちらを見ていた。
「う、わわ、ご、ごめんなさい、どうしたの？」
「お前が失踪した3日間に何があったのかも覚えてねぇのかって聞いたんだ」
「覚えてないよ。というか、失踪してたの…？」
初めて聞く情報に目を見開く。だから、ロヴィとフェリちゃんは私がベッドからいなくなったことに慌てていたの…？
「…あの、私とロヴィ、フェリちゃんの関係って…？」
「俺達は幼馴染なんだよ。俺と兄ちゃんにとって、Aは特別なんだ。ね、兄ちゃん」
「ただの腐れ縁だ、ちくしょーめ」
「そう、なんだ…」
ロヴィはふんっと鼻を鳴らしたが、私は知っている。ロヴィはツンデレだと。
2人とも、Aのことが大切だったんだ。
…そして、ギルとルートも…。
「2人は私の兄弟、なんだよね？」
「おう。かっこいい俺様とお前は双子なんだぜ」
「そうなんだ。ん？でも、それならどうして私は、自分の家じゃなくて、ロヴィとフェリちゃんの家にいたの…？」
「…4日前、姉貴はいきなり失踪したんだ。いなくなって3日後の昨日、フェリシアーノが見つけてくれたんだが…」
ルートの言葉をフェリちゃんが引き取る。
「…昨日のAは、変だった。俺と兄ちゃんがどれだけ話しかけても反応してくれなくて…。でも、ルートとギルベルトが自分んちに連れ帰ろうとしたら、なぜか首を横に振って拒否したんだ。だから、俺んちに連れて帰ったんだよ」
「ま、お前は家に来ても何も言わねぇし何も口にしねぇしで大変だったけどな」
「…ありがとう。迷惑かけたね」
2人に頭を下げると、フェリちゃんは手をぶんぶん振った。ロヴィはふんっと鼻を鳴らす。
「ううん、俺達の方がAにはお世話になってるから！気にしないで！」
「まぁお前には良く部屋の掃除してもらってるからな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヘタリア」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami☆
| 作成日時：2024年3月23日 23時
