ある日目が覚めたら、くるん兄弟の幼馴染になってました〜芋兄弟の真ん中なんて聞いてません〜 (ページ6)

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＊5話　日本人の感覚？＊ページ6

「あ、ねぇ、着替えはどこにあるの？」

「俺が案内するよ。こっち！」

フェリちゃんに連れられてきたのは、2階の数部屋の内のひとつだった。

「ルートが持ってきてくれたんだけど…覚えてない？」

「え？あ、えっと…い、言われてみればそうだったかも…？」

フェリちゃんがあまりにも心配そうな顔をして聞いてくるので、否定することができなかった。

「…俺も着替えてくるね。着替え終わったら部屋の前で待ってるから」

「う、うん。わかった」

フェリちゃんが出て行った後、部屋の中を見てみる。

どうやら客室のようで、シングルベッドとサイドテーブル、クローゼットとドレッサーが置いてあった。

そして、サイドテーブルの上には綺麗に畳まれた洋服が置いてある。

「きっとこれだよね…」

置かれていたのは、白のTシャツとジーパンというシンプルなもの。

でも、スタイルが良いから、こういうシンプルな服装がよく似合う。ちょっとTシャツがピッタリ過ぎる気がするけど。

ちょっと大きめな方が、体のラインが出なくて好きだなーと思いながら、近くにあったカバンを開けてみる。

「えーっと、"臨床医学"…夢でも私は医者を目指してるのか…じゃなくて、化粧品はどこ…？」

大学に行くなら、そして芋兄弟に会うならメイクしないと。いや、2人はこの夢の中では兄弟なんだから、本来はくるん兄弟と顔を合わせた時にメイクしておくべきだったんだけど…。

寝起きだから仕方ないよね。

私は部屋から出ると、お洒落な格好をしたフェリちゃんと、いつの間にか来ていたロヴィに声をかける。

「ねぇ、私のコスメ知らない？」

「は？お前、いつもすっぴんだろうが」

「ヴェ〜、Aがメイクしたところ、見たことないよ〜」

「そ、そうなんだ…」

なんと、夢の私はメイクをほとんどしていなかったらしい。

まぁ、これだけ美人だし、肌も綺麗だし、メイクをする必要がないのかもしれない。

…すっぴんのまま、そしてラフな格好のまま外に出るのは凄く違和感がある。

でも、夢なんだし、気にすることはないか。

カバンを肩に掛けると、くるん兄弟と外へ出たのだった。