＊4話 また？＊ ページ5
家具や扉自体が日本の物より背が高いのか、視界が高くなっていることに気付かなかった。
「こんなんモデルじゃあん…やばいよぉ…モテちゃうよぉ…」
なんて鏡を見てニヨニヨしていると、ドタドタと階段を駆け下りる音が聞こえてきた。
「A！！！どこ行ったんだよちくしょー！」
「A〜、いなくならないでぇ！」
ロマとイタちゃんの声が聞こえてきて、何事だとバスルームから顔を出す。
と、丁度ロマと目が合った。
「はーっ、良かった、そこにいたのか…」
「Aっ！？あぁ、良かった！またいきなりいなくなったらって…」
2人とも何故か涙目で。私は首を傾げてしまう。
涙目可愛い。でも、なんで私がベッドにいないだけでこんなに慌ててるの…？
それに、"また"って？
「えーっと…？ロマとイタちゃん、どうしてそんなに慌ててるの？」
目の前に立つ2人を見て言う。目線が近い。身長は私の方がちょっと低いくらい。夢の中の私ってば結構背が高いんだね。
「は？なんだよその呼び方。新しいあだ名か？」
「俺、板なんかじゃないよ〜」
「へっ、あ、じ、じゃあ…ロヴィとフェリちゃん…？」
「なんで疑問形なんだよ。お前、最近おかしいぞ」
「そうだよ。いきなり行方不明になって、帰ってきたと思ったらゾンビみたいだったし…ルートもギルベルトも心配してたよ〜」
「え、なんでルートとギルが？」
首を傾げると、ロマ…じゃない、この夢では人名だから…ロヴィとフェリちゃんは顔を見合わせた。
「おい、本当に大丈夫か？芋野郎どもは、お前が誰よりも大事にしてた兄弟だろーが」
「き、兄弟…？芋…じゃない、ギルとルートが、私の？」
「どうしちゃったの、A？2人を呼ぼうか？」
「げ、やめろ！大学行きゃ会えるだろ！」
「そっか、そうだね。A、大学行こう？大学行って、2人に会おう？」
心配そうに眉を下げ私を見るフェリちゃんに頷く。
なんか…よくわからないけれど…またしても推しに会えそうだ…！
芋兄弟、大好きなんだ。くるん兄弟と同じくらい。最推し4人と会えるなんて幸せすぎる夢だなぁ。
思わずふふ、と笑うと、ロヴィとフェリちゃんから奇妙なものを見る目で見られた。
はて？
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作者名：ami☆
| 作成日時：2024年3月23日 23時
