ある日目が覚めたら、くるん兄弟の幼馴染になってました〜芋兄弟の真ん中なんて聞いてません〜 (ページ15)

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＊14話　弟ですら知らない＊ページ15

「広いね…」

大きな家だったから、てっきり間借りしてるのかと思ったら。

この家自体がバイルシュミット家の持ちものらしい。

外観は古めかしかったが、中はリフォームされているようで、現代的なオシャレで広い家だった。

「広さは標準的だと思うが…この家は父さんが買ったんだ。無駄遣いは良くないと言ったんだが、俺達が卒業した後は別荘として使えば良いとか人に貸せば良いとか言って聞かなくてな」

「ふふ、お父さん太っ腹だね」

それだけ、子ども達のことを愛しているんだろう。

叔父と言っていたけれど、実の子のように思ってるんだろうな。

「早速だが、姉さんの部屋に行こうか」

そうやって案内されたのは、2階の奥の部屋だった。

失礼します、と心の中で言いながら扉を開ける。

…広い。私が借りていたアパートの部屋の倍はある。しかも、もうひとつ部屋もあるようで、続き扉がある。

きちんと整理整頓されていて、家具も少ないから余計にそう思うのかもしれない。

続き扉を開けようとしたが、ガチャガチャいうだけで開かない。鍵がかかってるみたいだ。

「ルート、この部屋は何？」

「書斎だと思うが…中は見たことがないな」

「そうなの…」

スマホの待ち受けから分かるように、Aは兄弟を愛していたはずだ。それなのに、その弟ですら入ったことがない部屋なんて…。

「鍵はどこにあるんだろう」

「さあな。兄さんならもしかしたら知っているかもしれないが」

「ギルが？」

ケセセセセ、と笑うギルの顔が浮かぶ。

…そうだった。この体の持ち主は、ギルの双子の妹なんだった。

もしかしたら、双子だからこそ分かることごあるかもしれない。

「後でギルに聞いてみることにする」