ある日目が覚めたら、くるん兄弟の幼馴染になってました〜芋兄弟の真ん中なんて聞いてません〜 (ページ2)

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＊1話　両手にヘタレ＊ページ2

「…えっ？」

思わず漏れた素っ頓狂な声。

それもそうだろう。朝、目が覚めたら、両手にイケメン状態だったのだから。

「ち、ちょちょちょちょ…まって、え、どういうこと…？」

パニックの中、両隣に人が寝ているということで自然と小声になり、ベッドの上で仰向けで固まってしまう。横向きになったら、左右どちらにもイケメンが寝ているので。

「わ、私の気のせいじゃなかったら…お、推しに見えたんですが…」

この訳分からん状態の中、私の目はおかしくなってしまったのだろうか。いや、推しが好きすぎて頭がおかしくなってしまったのか…？

「……ちぎー……ちぎー……」

「……ヴェー……ヴェー……」

あぁ、両耳から聞こえる寝息が、推しの寝息に聞こえてきた。いよいよ末期かもしれない…。

我が目を醒すべく、意を決して右側を向く。そこにいたのは、あどけない寝顔をしたイケメン。

焦茶の髪につり眉。柔らかそうな頬。形のいい唇から漏れ出るイケボな寝息。上向きなくるんとしたアホ毛。

「ろ、ロマーノだ…っ」

じゃあ、左側はもしや、と思いくるりと向きを変える。

先程のイケメンとよく似た寝顔。でも、こちらの彼は幸せそうな顔で寝ていて、形のいい唇から漏れる寝息も天使ボイスだった。ちなみに、くるんとしたアホ毛は下向きだ。

「い、イタちゃんだ…っ」