ジェイドに惚れ薬をかけようとしたらマレウスにかかってしまった話

＊28話＊ ページ29

惚れ薬の効果を消す魔法薬の研究と並行して勉強を始めてから数日が経った。




普段あまり勉強をしない私は、忙しさで目が回りそうだった。




今までサボったツケが回ってきた…。




「大丈夫か？」




「あ、はい。ちょっと最近忙しくて」




いけない。今はガーゴイル研究会の活動中だ。集中しなくては。




図書館でガーゴイルについて調べてるだけど、難しい文献ばかりでつい眠くなってしまう。




寝てしまうのはマレウス先輩にとても失礼だから、なんとか耐えてるんだけど…




船を漕いではハッと目を覚ますのを繰り返している。




こういう文献はちゃんと読めるようになるに越したことはないんだけど…もっと易しい言葉で書いてくれ〜って思ってしまう。




そんな私の様子を見ていたマレウス先輩は、おもむろに自身が読んでいた本と私の本を閉じると、立ち上がった。




あまりに失礼な態度に、怒らせちゃったかな…。




「A。気分転換をしようか」




「え？気分転換…ですか？」




「最近、勉学に励んでいると聞いた。僕になにか手伝えることはないか？」




「お、教えてくれるんですか…！？」




あぁ、とマレウス先輩は頷く。




「将来を誓った仲だからな」




誓った覚えはないんですけど！？




でも、キラキラとした顔で言われてしまえば、訂正することなんてできない。




まぁ、マレウス先輩に魔法を教えてもらえる機会なんて滅多にないだろうし、ここは有難く教えてもらうとしよう。




そうだな…今から机に向かって勉強するのは気分転換にも何にもならないから…




そうだ、1番苦手な"あれ"を教えてもらおう。

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