10年後の屋上 ページ25
「落ち着いた？」
「うん。
…ごめんね、もう泣き虫は卒業するって約束、破っちゃった」
「いいよ。
今日ばっかりは仕方ないもん」
あれから僕たちはいろんな話をした。
君がいなくなった後の話、仕事の話、友達の話。
Aは楽しそうに笑いながら僕の話を聞いてくれた。
気づけば、明るかった空はもう暗くなり始めていた。
「もうこんな時間…
帰らないと…」
「たくさん話したもんね。
久しぶりにこんなに笑ったよ。
いい友達ができたんだね。
楽しそうで安心した」
「へへ、あの時Aが背中を押してくれたからだよ。
…Aはどうするの？この後」
そう。
Aの姿は、変わってない。
あの頃と、全く。
生まれ変わって人間になったわけじゃないんだ。
「私？
私はね…帰るよ。
お母さんと一緒に」
「！
お母さんてことは…」
「うん。
また会えたの。
…まぁ、つまりはお母さんも死んだってことだからあんまり嬉しくないんだけど…
やっと会えたの。
お母さん、寿命で亡くなったみたいだからよかった。
私が死んだ後も、前を向いて生きてくれたから」
「そっか…
そっか、よかったね…やっと、会えたんだ」
じゃあこれからはAのお母さんも来たりするのかな。
ちょっと楽しみだ。
「…だから、この姿で会うのはもう最後…かな。
お母さんに会えたから、私はお母さんと帰るの。
…お母さんと一緒に、あの世に行くの」
嬉しそうだけど、少し悲しそうに言ったAは僕の顔色を疑うように僕を見た。
…あぁ、そうか。
今日君が僕に会いに来たのは…
「お別れを…言う為だったんだね」
「…うん。
ごめんね…お別れ、してばっかりで。
ちゃんと人間になってから会いに来るって言ったのに、なれなくて。
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うー(プロフ) - ももんがさん» ありがとうございます…！！いやもうありがとうだけじゃ足りない… (2019年8月14日 12時) (
レス) id: e19a932eed (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 涙が止まらなかったです！最高に面白かったです！ (2019年8月14日 11時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
うー(プロフ) - 桜さん» これ読んでくれたんですか…！！ありがとうございます！ (2019年8月4日 12時) (レス) id: e19a932eed (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 涙が出てしまいました！ (2019年8月4日 5時) (レス) id: 6f752fa416 (このIDを非表示/違反報告)
うー(プロフ) - おーさんさん» いやもう本当にありがたい…… (2019年7月31日 8時) (レス) id: e19a932eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うー | 作成日時：2019年5月6日 10時
