太陽に触れてしまった 2【Ren.M】 (ページ32)

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「Aさん！」

後ろから声がして振り向くと、そこには少し不貞腐れた様子の蓮くん。

「蓮くん、」

「なんで観に来るって教えてくれなかったの？」

「えっと…、
舞台で疲れてるだろうし、余計な連絡して邪魔したくなくて。」

「余計じゃないから、全然。」

「ん…ごめんね。
でも、お仕事だけど舞台を観に来る事が出来て嬉しいよ。
そう言えば、この前話してた話、叶っちゃったね。」

「来ること話してほしかったけど、
まぁ、Aさんが観に来てくれて嬉しいことには変わりないから、今日は楽しんでいってね。」

不貞腐れた表情はいつの間にか柔らかな笑顔に変わっていた。

「うん！
みんなが作り上げる素敵な舞台、楽しみにしてる。
蓮くん、頑張ってね。」

「ん、ありがと。
Aさんに会えて、すげー元気出たわ。」

「…っ、なら、よかった。」

蓮くんの淀み無い綺麗な瞳に見つめられると、目が離せなくなる。

「Aさん」

「ん？」

「俺しか見えなくなるくらいのステージにするから、ちゃんと見ててね。
じゃあ、また後でね。」

蓮くんは私の頭を軽くポンと撫でて、楽屋へ戻って行った。

彼に触れられた場所が熱くなって、ジリジリと私の身体を侵食していった。