彼氏ができない理由は【呪術廻戦】

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次の日、授業で持久走があった。
しかも40分間も。鬼畜か。




『はぁー、もう無理。
五条おんぶしてよ〜』

「ヤダよ」

『この前してくれたじゃんか！』

「俺も疲れてんの！」




勢いをつけて五条の背中に飛び付いた。
汗かいてるし降りろなんて言われるけど、確かに汗かいてるけど臭くない。
いつもの五条の匂いがする。

……なんで？




『人体の不思議じゃん』

「何がだよ！降りろよ！」

『五条が特殊なだけ？』




五条が特殊な説もあるし、背中から降りた。
向かう先、まずは夏油だ。




『夏油〜おんぶして〜』




同じように勢いをつけて背中に乗った。
夏油も汗臭いから降りてよなんて言うけど、コイツも臭くない。全く臭くない。




「何か悪いことしてないかい？」

『してない！夏油ありがとう！』




最後は夜蛾先生だ。
夜蛾先生はオジサンだし加齢臭とやらもあるかも知れない。




『夜蛾先生〜！』

「な、俺はおんぶしてやらんぞ」

『可愛い生徒のために実験させてよ』




拒絶されまくったけど、ゴリ押しで正面から嗅ぎに行った。
全然臭くない。走ってないからか洗剤の匂いがする。




『やば……硝子世紀の大発見だよ！』

「アンタさっきからどうしたの」

『すごい！凄すぎる！』




更衣室で着替える事もせず、真っ先に教室に戻って携帯で調べた。体臭には相性がある事を知った。
私と彼氏(仮)の相性は遺伝子レベルで悪いって事がわかった。

ってことは、五条と夏油と夜蛾先生との相性は遺伝子レベルで良いってこと……？




『もう別れるしかねーわ』

「は？何と？」

『……え』




1人で呟いたつもりだったのに、着替え終わったのか制服姿の五条が戻ってきていた。

まあもう別れる事も決めたし、言ってもいいかな。




『彼氏(仮)と』

「いつできたんだよ」

『先週。でも相性悪いし別れる』

「(相性……？)え、もうやったのかよ……」

『ん？昨日ファーストキスとおさらばした。
全然嬉しくも無かったしドキドキもしなかったし、これって女として終わってる？』




無言でズンズン近寄ってくる五条に威圧を感じて、同じスピードで後ろに下がった。

だけどもう壁で、一定を保っていた距離が詰められる。




「上書きしてやるよ」




「待って」と言う前に2秒ぐらい唇が重なった。
昨日とは違って、心臓がドクドクと音を立てている。





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