彼氏ができない理由は【呪術廻戦】

理由8、担任も先輩も ページ19

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「いいの？ホントに」

『いい！お願いします！』




パラパラ落ちる髪の毛。
何となく雰囲気を変えたくて、前髪を切った。

自分で切る自信はないから硝子に頼んで切ってもらった。




『ねぇー…どう？』

「可愛いんじゃない？」

『疑問形じゃなくて、もっと言い切ってほしいな……』




鏡を見て驚愕。
自然な感じ出来上がっていた前髪に、硝子の前世は美容師だと思った。

雰囲気も変えることができたし、これで新しく出会いがあるかもーなんて期待しちゃう。




次の日、何も気にせず教室へ行った。




「前髪切ったんだね、可愛いよ」

『ありがとう、嬉しい！』




思ったことをすぐに口に出してくれる夏油は結構好き。
スタイルチェンジとか勇気のいる事で、可愛いって言われるのは誰だって嬉しいじゃん。




「席に着けー……って、A失恋でもしたか？」




ホームルームのために入ってきた夜蛾先生はそう言った。
髪切ったからってみんながみんな失恋してるわけじゃない。




「失礼なセンコーだな」

「え…違うのか？」

『イメチェンだよ、イメチェン』




「そうか」と少し考えた後、何も言わずに出席も取らずに教室を出ていった。

そしてしばらくして戻ってきて、私の前に立った。




「Aにこれをやる」

『…うさぎ？』

「呪骸用に作ったのだがサイズが合わなくてな」




見せられたのはうさぎが付いたピン留めだった。
慣れた手付きで前髪を撫でられる。

パチン、と音を立ててピン留めが髪に付いた。




『似合う？』

「似合ってる」




ホントか信じ難いけど、さしすも可愛いと頷いてくれた。

廊下ですれ違った後輩ズも口を揃えて可愛いと言ってくれた。




『夜蛾せんせー！』




こんなに可愛くしてもらって、お礼を言ってない事に気付いた。
放課後、教務室へ飛び込むと京都の学長もいた。




「どうした、何か用か？」

『あ……いや、お話中だったらまた明日でいいよ』

「別に構わん」

『可愛くしてくれてありがとう！』




匂いを嗅ぎに行った時同様に正面から飛び付くと、がっしりとした体でちゃんと受け止めてくれる。
夜蛾先生のこういうところも好き。


京都の学長からピリついたオーラが見えるような気がするけど、気がするだけできっと笑ってくれている。




『任務行ってきまーす！』





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