検索窓
今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:50,305 hit

十九日 ページ20

しばらく部屋で三人で話したり、だらけてみたりと、我々は自由気ままに過ごしていた。



そしてその後の夕食も終え、次は銭湯へ向かう事となった。
森畠はここでの初めての風呂に対して、少しばかり楽しみでもいた。


外へ出て、三人で並んで風呂屋へ向かう途中、上官二人は森畠とは打って変わって、とてもつまらなさそうな表情で進行方向を見つめていた。



とても気まずい雰囲気に森畠は固まったまま前を向いて歩く。
しかし、余りにも気になるので、少しばかりチラリと横を見て、そんな二人の様子を伺った。


「ぁあ?風呂...?めんどくせぇなぁ」


尾形がそう口を開く。
それを聞いた宇佐美は独り言のように小さく呟く。


「くっさ....」


二人は毎日繰り広げられる、第七師団27連隊上等兵名物『口喧嘩』を始めた。

周りの者はまたか...なんて考え、その口喧嘩を見て見ぬふりをしてやり過ごす。
森畠も同様にやり過ごすごした。


しばらく歩くと、目の前には煙を上げる風呂屋が現れ、森畠は目を輝かせた。


「わぁ...」


小さく歓声を上げ、森畠は足早に風呂へと目指す。
入口まで着いた所で森畠は上等兵二人組を置いて言っている事を思い出し、すぐさま引き返した。


「すみませんッ!先行ってしまい...」


深々と礼をした後、チラリと二人の顔を見ると二人共顔が赤く腫れ上がっていることに気がついた...。

そして両方とも口を開かない。


「あ...その、頬。どうされたんですか...?」


森畠がそっと問いかけるが、二人は目線を合わさずお互いそっぽを向いて「「なんでもない」」と答える。


__いやいや...なんでもない訳ないでしょう。



森畠はそんな事を思いながらそうですかと答え、再び風呂屋へめざした。

二十日→←十八日



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» コメントありがとうございます!はいっ勇作さんも大好きで大好きで予定より早めですが登場させました!あの笑顔って営業スマイルって呼ばれてるんですね…!(伝わってるのがすごい)笑顔がぎこちない尾形上等兵も大好きでこちらも登場させました! (2019年2月13日 18時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - こんばんは!勇作さんでましたね…!尾形の営業スマイルが思い浮かびます笑今回のお話もとても好きです( ´∀`) (2019年2月13日 0時) (レス) id: 5510d14e32 (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» こんばんは!私ニコニコ初めてだったんですが、まさか.....反応してくださるとは思ってもいませんでした(--;)そして、最近最新なくてすみません。勉強の野郎が邪魔をしてくるんです.....w (2019年2月4日 22時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - めろんMiiです!お久しぶりです。ニコ生面白かったですね…僕もなにかコメントすればよかったです笑 (2019年2月4日 19時) (レス) id: a461264cdc (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - めろんMiiさん» ありがとうございます!(●´▽`●)やっぱり男前のキャラはカッコよく登場させなければと言う使命感が働きまして...^^ (2019年1月4日 14時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤青ほとゝぎす | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年12月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。