Mirror.37 ページ37
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『まじで買い過ぎじゃないですか……
出費が……恐ろしい……』
「アタシのお金で買ったんだから問題無いでしょ」
『どんだけ稼いでるんですか』
当然の成り行きで荷物持ちに認定された俺はしっかりその役割を務めヘロヘロになりながら寮長と学園内へ無事帰還した
両手両脇更には肩にまで掛けたブティックのショッパーを落とさないよう気を配りつつ寮長の隣をキープする俺を誰か褒めてくれ
『ゔっ、重……』
「もっと根性見せなさいよ」
『俺握力めちゃくちゃ低いんですよ』
「この場合握力じゃなくて腕力だと思うけど。
握力何kgよ」
『30ぐらいだったかなぁ』
「はぁ？低過ぎ。ゴリラは90kgあるのよ」
『俺実はゴリラじゃなくて人間なんですよ』
俺貶されて伸びるタイプじゃないんだよなぁと諦め半分で正門を潜り校内へ足を踏み入れた時、背後から自分の名を呼ぶ声にゆっくり振り返る
「随分とホリデーを楽しんだようで何よりです」
『あぁ、学園長』
目元を露わにしないペストマスクのせいでどんな表情か窺いは出来ないが、緩んだ口端が物腰柔らかな物言いで厳しい寒さを中和する
『何かお話でも？』
「ああいえ。急ぎでは無いんですが君に確認がありまして＿＿」
「じゃあアタシは先に寮へ戻ってた方が良さそうね」
一度区切りを入れた寮長はそれなりの量のショッパーを俺から優しく奪い踵を返す
申し訳無いと心に留めつつ学園長の話に耳を傾けた
「二つの異なる世界を繋げた闇の鏡の事でして……
Aさんが元の世界に戻る方法なんですが」
相槌を打とうとしたその瞬間
数ｍ離れた所から何かが盛大に落ちる物音に驚いて意識を馳せてみれば、そこにはショッパーを床に落し魂が抜かれた様に唖然とするヴィル寮長がこちらに顔を向けていた
「……アンタ、元の世界に帰るの？」
ーーーーーー
「Aさんが元の世界に戻る方法なんですが」
遠方で嫌にはっきり聞こえた学園長の言葉に思わずショッパーを滑らせ落としてしまうものの、そんな事は今の発言の前では些細な事に他ならなかった
「……アンタ、元の世界に帰るの？」
気付けばそんな事を口にしていた。
しかしこの問いがどれ程無神経で残酷であったか後悔するには時既に遅し
『＿＿はい。元の世界にちゃんと戻るつもりです』
悲壮感に支配された酷く悲しげな色を灯すAを前にニの句が告げず立ち竦むしか無かった
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映国 - パピさん» おコメント嬉しいですありがとうございます……！！パピ様に褒めちぎって頂き光栄でございます。文脈的にも所々おかしなところがあったかと思いますが完結まで読んで頂き感謝しかございません、これからのそのありがたきお言葉を胸に精進して参りたいと思います！！ (2021年3月6日 11時) (
レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
パピ(プロフ) - 神作品過ぎて…、笑いあり涙ありもう語彙力が溶けるレベルで神作でした！ 後半の儚さがもうたまらなく好きです。今更ですけど完結おめでとうございます！ お疲れ様でした！ (2021年3月2日 19時) (レス) id: cbf5dcb5ea (このIDを非表示/違反報告)
映国 - 美月さん» すみませんレス返せていませんでした！！ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
映国 - みっ……！？！？美月さん！！！嬉しいですありがとうございます大好きです！！今回はいつもとテイストを変えてみました！！内容の面白さは保証出来ませんがヴィル様愛を書き散らした作品となっております！！楽しんで頂けたら幸いです！！！！ (2020年9月30日 6時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 面白そうと思って覗きに来たら……映国さんだったのですね………映国さんの愛するヴィル様の夢小説……じっくり楽しませていただきます………大好きです………(語彙消失) (2020年9月29日 19時) (レス) id: 48104f3cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：映国 | 作成日時：2020年7月12日 16時
