残念だが俺が一番可愛い【ツイステ】

Mirror.33 ページ33

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寮長の行き付けだと言うドレスコード店に何の躊躇いなく入っていくその後ろを逡巡しながら逸れまいと必死について行く




「シェーンハイト様、ご無沙汰しております」


「久し振りね。見ない内に内装変えた？」


「えぇ。今シーズンに先駆けまして我が社のコンセプトをインスパイアしたテーマとなっております」


「そうなの、悪くないわ。レトロ調の内観も好印象ね」




店の使用人と談笑するヴィル寮長を遠目に居心地悪さＭＡＸ。俺絶対場違いじゃん。店員の内容からしても寮長はここのクライアントなんだろうし、お得意様なんだろうな


それより値札のゼロが多い気がするけど俺の計算ミス？？




「今回はどういった件で？」


「あぁそうそう、今日はあの子＿＿ほらあの背の高い男よ。あの子のドレスコード調整に来たの」


「そうでしたか。それなら新作のものがございますがいかが致しましょう？」


「気になるわね。用意して貰えるかしら」


「でしたらこちらへ。フィッティングルームの前でお待ちください」



俺の知らない所で話が進められ引っ張り出されたかと思いきや鏡の前に立たされドレスコードを当てられる



「取り敢えず着替えて。まだ試したいコードがあるからモタモタするんじゃないわよ」


『えっ、ちょっ。いきなり５着もですか！？』


「時間は有限。とやかく言ってないで早く着替えなさい」



さっさとカーテンを閉めてしまった寮長が視界から消えたところで押し付けられたドレスコードを手に呆然と突っ立ったまま、僅か５秒後我にかえるといそいそ着替え始めた



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「んーーー……モーニングカットが特徴のフロックコートも良いけれどエナメル素材のタキシードはどうかしら。これと同じでエバーグリーンはある？」


「確認して参ります」


「よろしくね。じゃあその間にアンタはこっちのインフォーマルを着てみて。ポケットチーフはスリーピークスが良いわ」




……俺今どんな気分？って聞かれたらリカちゃん人形になった気分って即答出来るよ。持って無かったけど。あ、リカちゃん人形知ってる？



もう抵抗する事を諦め寮長の好きにさせた方が案外楽だったりする。本領発揮してて何か楽しそうだしそれでもいいや






「＿＿うん。アタシの見繕った通りだわ」




頭の天辺から爪先を巡回したヴィル寮長は満足げに相好を崩す。馬子にも衣装だろうと、気恥ずかしさ隠しにツッコんでは心の何処かで嬉しさに勝る事は無かった

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