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「車で来てるけど、送ろうか？」
「あ、お願いします」
狩野の車へ乗り込んだ寺島
「つか何の用だったの？」
「え、彼氏が彼女の部屋に来るのに理由なんて無いですよ」
「何言ってんの」
「え？何って何ですか。じゃ狩野さんは何で来たんですか？」
「俺は壮馬が来るって言うから」
「壮馬？あ、そうだ壮馬は何でいたんですか？」
「惇太が来るからだって」
「え、どゆこと」
「色々あって、警戒してるんじゃないの？二人で会うのは」
「あー……あっ？」
「ん？」
信号で停まっていた車
寺島が声を上げた方を見ると、人だかりができていた。
「何の集まり？」
「警察がいますよ」
「うわ、なんかあったんだな…物騒だなぁ」
「救急車も来てますね。こういうのは関わらないのが一番」
「だな。」
「…あれ、」
急に真っ青になる寺島、声が震えている
「どうした？」
「今救急車に乗せられた人の靴…」
「え？」
狩野も目を凝らすが、もう姿は見えなかった
「カバン…っ」
そう言って車を降りた寺島
「おい！」
車を移動させ降りようとすると、戻って来た寺島
「あの救急車追って下さい！」
「え、どうしたんだよ」
「早く！！！」
震えながら息が上がっている寺島を見て急いで車を出した
「惇太落ち着け。何を見たんだよ」
「…いや、俺の勘違いかもしれないです」
そうは言いながらも泣きそうな表情をしていた
「勘違いって」
「俺、早とちりするんで、だから勘違いというか、見間違い…ですよね」
まるで“そうだよ”
と、言ってほしそうだった…。
救急車が病院に入ると、
「惇太先に行ってろ」
「はい」
寺島を降ろし、駐車場へ向かった狩野
救急車の元へ走って行くと、担架で降りてきたのは
「並木…！」
叫んだ寺島、その時
「あ、寺島先輩」
苦笑いのAが
「え」
「あ、私は大丈夫ですので〜！」
隊員によって運ばれていったA
元気そうな姿に立ち尽くした寺島…―
廊下で待っていると、狩野が駆け付けた
「大丈夫か」
「並木でした」
「え…」
「でもなんか、その、思ってたのと違くて」
「え？」
普通にしゃべる寺島に、ハテナが浮かぶ狩野
「いや、なんか…うーん…」
「何があったの…？」
「それはわからないんですけど、並木笑ってました…」
「…」
狩野も加わり立ち尽くした…
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2024年2月25日 13時
