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「わぁ…先輩、凄いですね」
「ん?」
「こんなに書き込んでらして…熱心で尊敬します」
すると照れたのか少し赤くなって喋らなくなった狩野
「どうかされました…?」
「い、いや…やろうか」
「はい、お願いします!」
シーン13
「“私、好きな人がいるんです”」
「“誰だよ。俺じゃないなら、聞かないぞ”」
「“それは…”」
「“俺以外なんて認めないからな!!”」
その時、
「おい!!」
ドアが開いて斉藤が入って来た。
「え…斉藤、先輩…?」
驚いた二人、斉藤を見た
「え…ただの読み合わせ…?」
斉藤の言葉に、同時に笑い出した狩野、A
「ぶはははっ」
「あはははっ」
2人を見て崩れた斉藤、床に体育座りをして顔を膝に伏せている。
「先輩?大丈夫ですか?」
Aが立ち上がり近づくと、背中に手を置いて顔を覗き込むように声をかけた。
「…」
黙って数回頷いた斉藤
狩野を見て微笑んだA
「はぁ…」
ホッとして顔を上げた斉藤、狩野が笑って手招きすると、テーブルを挟んで正面に座った
「レック一緒だから、読み合わせしてただけだよ」
「そうなんですね…すみませんでした」
恥ずかしそうに頭を下げた
「斉藤先輩も同じスタジオだったんですね」
「ああ…知ってたら電話しなかったんだけど」
「私も知りませんでしたので」
「さっき保住に会った。レックは一緒じゃないよな?」
「はい、違います…」
安心した斉藤
「どこの現場か知らないけど、何言われるかわからないから気を付けて」
「大丈夫、俺がずーーーっとついてるから」
「まあそれが不安なんですけどね」
昨日聞いた事で狩野を憎んでいる斉藤
鼻息荒く胸を張っている狩野を笑ったA
「では俺は行きますね。狩野さんにはまた今度、話があるので」
「え?」
立ち上がった斉藤
「じゃまた夜な」
「はい、お疲れ様です」
Aに声をかけ、出て行った。
「夜…?」
「今夜寺島先輩とお会いするのですが、斉藤先輩も一緒に」
「え、俺も行く」
「え」
「え、ダメ…?」
「ダメではありませんが…お仕事は」
「終わったら行くから、言っておいて!」
「あ、はい…わかりました」
何か用かな…?
不思議に思いながらも、何も聞かなかった。
「そろそろ時間だね、行こうか」
「はい」
狩野に支えてもらい、ブースへ向かった。
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時