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「おはよー!」
「お…おはようございます!」
狩野だった。
「あれ?この前この時間に出てきたよね?今日一緒だよね?」
「あ、すみません今日は早めに来てしまったんですよ…」
「え、もしかしてもうスタジオ入ってる?!」
「はい、楽屋にいます…」
「えーーー!!わかったすぐ行くからね!」
「あ、はい」
切れた画面を見つめていると、斉藤から電話が
「はい、おはようございます」
「おはよう。X見たけど、脅迫文って」
「あ…事務所へ手紙が来たそうです。保住さんと別れないと殺すと…」
「それであの投稿か。保住はいいのかよ」
「SNSの制限は受けてるそうですが…」
「そうは見えないけどな。つか、活動は大丈夫なのか」
「大丈夫だそうです。」
「そうか…終わったら会える?」
「はい。あっ寺島先輩ともお会いすると思うので、同席してもらえますか?」
「会うなって言ったのに…わかった。じゃまた連絡する」
──
スタジオの廊下を歩いていると向かいから歩いてくる斉藤を認識した保住
無視して通り過ぎようとするが
「おはよう」
すれ違い振り返った斉藤、笑顔で声をかけた。
保住が振り向くと
「久しぶりじゃん。元気だった?」
近づいてくると、肩をポンポンと叩いた
「何ですか、白々しい」
保住がため息をつくと、顔を近づけた斉藤
「お前と同じ空気吸ってると思うと吐き気がするんだけど。早く死んでくれないかな?」
離れると、ニコッと微笑んで去って行った
廊下を歩いていると、何気なく見た楽屋の貼り紙に足を止めた。
「え…」
“並木A”
同じ現場だったのかよ…
ノックをしようとすると、中から話声が
──
「もう、迎えに行っちゃったじゃんっ」
急いで楽屋へやって来た狩野、なぜか嬉しそうな笑顔だ。
「申し訳ないです、わざわざ来て頂いたのに…」
「同じ時間に入れる時しか行けないからさ、ちょっとでも長く一緒にいたかっただけなんだけどね」
「ありがとうございます。あ、もし宜しければ読み合わせ付き合って頂けますか?」
狩野の気持ちを汲み取り自らお願いしたA
「もっちろん!」
狩野がカバンから台本を取り出した
「えっと今日のシーンは…」
「ここだね」
狩野が台本を見せてきた。
そのページにはマーカーや書き込みがたくさんあった。
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時