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「あ、江口さん。お疲れ様です」
「おつー」
「さっき界人から電話きたんですけど、最近保住見ました?」
「いや、見てない」
「なんか激痩せしてて。堀江が心配して、界人に並木に会わせてくれないか聞いてきたらしいです」
「そんなに?」
「俺さっき配信見ましたけど、確かに痩せすぎて顔が変わってましたね」
「そうなんだ。壮馬はどうなの?会わせていいの?」
「俺は会わせない方がいいと思います。余計辛くなると思うし、もしくはこのままダラダラ会うことになるかもしれませんし」
「確かにねぇ」
「それに、並木泣いてたじゃないですか。最後に会わせた日」
「うん」
「記憶が戻れば、同情の余地もないかもしれませんけど、ずっと戻らず新しい記憶だけ入っていけば、いつか保住に対して感情が」
「壮馬はそれが心配なんだね」
「え」
「並木は壮馬が好きって言ってるのに、どうして自信持てないの?」
「…」
「壮馬も好きなのに、なんで告白しないの?並木は壮馬に好きって言うのに、結構勇気いったと思うけど」
「ですね…」
「相手の気持ちわかってて、後は自分の気持ちに素直になるだけじゃん。告白できないの?」
「いや…そうでは」
「何がそうさせてるかわからないけど、いつもイライラしてるじゃん。そんなんじゃ、取られちゃうよ」
「…」
電話が切れた。
帰宅すると、石川に電話をかけた。
「お疲れ。遅くなってごめん」
「お疲れ様、大丈夫だよ」
「保住のことだけど、会わせることは…無理だ。」
「だよね、俺もそう思ってた。その方が」
「俺が会わせたくないって気持ちもある、正直…けど、それより保住も今会ったら余計辛くなると思う」
「うん。じゃあ、堀江にはそう伝えておくわ」
「堀江にも保住にも悪いけど、わかってほしい…頼む」
「大丈夫。壮馬さんも悩んだと思うし、俺はわかるから」
「ありがとう」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時