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「そもそもそこじゃないだろ。ここに入れとけ!」
近づいてくると、ズボンのポケットを指さした。
「すみません…」
「マジで何回目だよ…スマホの意味無いだろ」
「はい、申し訳ござ」
「壮馬、その辺にしな。並木だって忙しかったんだろうし」
「はい…」
江口が見えた途端、笑顔になるA
その表情を見て目を見開いて睨んだ斉藤
「すみま…」
委縮するAを笑った江口
「腹減ってない?」
「減ってます!」
「おいで。一緒に食べよう」
「はいっ」
キラキラした笑顔で江口の部屋へ入っていくAをため息をついて追った斉藤
「昨日何の仕事だったの?」
「地方イベントでした!」
「へぇ、ああジルダル?」
「はい!」
「どこ行ったの?」
「北海道です」
江口が椅子に座るよう促すと、2人向き合って話していた。
その間、キッチンで買って来た料理を皿に移し替えていた斉藤
「寒かったでしょ。お疲れ様」
「ありがとうございます。」
「どうだった?楽しかった?」
「緊張しましたが、無事終えました。イベントは大盛り上がりで、本当に楽しかったです。土岐先輩のお陰です」
「あ、土岐と一緒だったんだ」
「はい。佐倉先輩と一緒に行く予定でしたが、お風邪をひかれてしまったようで…」
「そうなんだ。他には?」
「あ、2人でした」
黙って聞いていた斉藤がこちらへ視線を向けた。
「大丈夫だったのか?あんなことがあって」
「はい、仲直り出来たと思います」
「そうか…並木は許せたんだね」
「はい。今回、色々と助けて頂いたので…」
斉藤が皿を持ってテーブルへやって来た。
「お前チョロいな」
「え」
「絶対そう思われたぞ」
「そうですかね…?」
「絶対」
「ああ…」
先輩、怖い顔…
「仲直り出来たってことは、何もなかったってことだよな」
そう聞いた江口に対し
「いや、やることやって和解したんじゃないですか」
冷たく言い放った斉藤
江口とAは気まずくなり黙ってしまった
「何だよ、反論無しか?」
「えっ、いえ、本当に何も無かったんです!いい意味で!」
「いい意味って」
「本当に何もないです、無いんです!!」
興奮して顔を近づけたA、斉藤は少し身を引いた
「同じ部屋だったので、最初は怖かったんですけど…でも、先輩は何も」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時