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食事が終わると、カーディガンを羽織り靴下を二重に履いたA



「寒いか」

「はい…でも大丈夫です。先輩は大丈夫ですか?」

「俺は大丈夫」


カイロを取り出したA



「どうぞ…」


差し出した。



「並木のは?」

「私は服に貼ってあるので」

「そっか、ありがとう」


時刻は0時を回ろうとしている



「きゃ…!」


いきなり雷の音と共に停電した。



「大丈夫か!」

「はい、」


スマホのライトをつけた土岐



「もう寝ようか」

「はい」


足元を照らし、Aを支えながらベッドへ向かった。

思ったより真っ暗で目を凝らすが



「大丈夫?」

「すみません、私目が悪くて…」


土岐が布団をめくった



「ありがとうございます」


ベッドに腰かけると



「寝ていいよ。布団かけるから」

「はい」


横になろうと足を上げると、土岐の足に引っ掛かってしまった。



「わっ」


体勢を崩し、Aの上に…
咄嗟に顔の横に手をついた。



「えっ大丈夫ですか?!」


スマホが床に落ちて完全に真っ暗になった



「あ、あの」


目が見えず手をのばすと、土岐の頬に触れた



「あ…すみません」


すぐにひっこめた。



「並木」

「はい…?」

「俺男だからさ」

「はい…」

「やっぱ、同じ部屋ってキツイ」

「…?ひゃっ」


いきなり頬に冷たい感触が



「ごめん、手冷たかったか」

「あ…いえ、」


手か…



「俺は目良いからさ、良く見えてる。並木の顔」


そう言って笑った



「けどさ」

「…?」

「好きでもない女抱こうとは思わないよ」

「…」

「あの時だって、並木を傷つける言い方しちゃったけど…本当は」

「先輩」

「ん?」

「私、先輩が優しくしてくれた時、嬉しかったんです」

「うん…」

「今となってはそれが演技で、嘘でも…あの時は本当に救われたんです」

「ん」

「これからも、私を後輩として…仲良くして頂けると、嬉しいです」


そう言って笑った。



「ん…そうだね。」


暗闇でも見えているその笑顔に、つられて笑った土岐。


これからは演技でも嘘でもなく、本心で…


ベッドから降りると、



「あれ…スマホ」


床に膝をつき探している土岐



「ベッドの下に入っちゃいましたかね…」

「そうかも」


Aも手探りでベッドを降り、床に這いつくばった



「あ、いいよ。危ないから」

「いえ、少し目が慣れてきたので…」





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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時

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