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「あっうん、そうっ」
「それなら仕方ないので…私は。土岐先輩は大丈夫なんですか?」
「大丈夫、こればかりはね、仕方ないもんね!」
「はい」
土岐の慌てっぷりに苦笑いのA
「あ、シャワーの途中ですみませんでした。私は向こうにいるので、どうぞ行ってきて下さい」
「あ、うん」
足早にバスルームへ消えた。
ため息をついてテーブルへ向かうと、さっき買った食事を置き、椅子に座った
あっ先輩ご飯食べたのかな…
先に食べてたら感じ悪いかも
出るまで待ってよう。
30分後
「ただいま」
「おかえりなさいませ」
何故かクスっと笑われた。
「あの、お食事されましたか?」
「ああ、まだ」
「そうですか。外食とか…」
「一緒に行く?」
「あ、私は買ってきました」
ふとテーブルを見た土岐
「じゃあ俺も買って来るよ」
「わかりました。では私もお風呂行ってきちゃいますね」
「うん」
Aがバスルームに入るのを確認すると、着替えて部屋を出た。
──
「出ない」
今朝ラインを送っていた斉藤、既読がつかず電話をかけていた。
「忙しいんじゃない?」
「ん…」
「そんな心配しなくても、もう大人なんだから。それより昨日ついに夢に春巻きが出てきて、しかもそれがめちゃくちゃデカいんだよ。んでそれが追いかけてきて」
西山の話を無視して電話をかけ続けるが、諦めた。
「ねえ聞いてるの?僕のことも心配してよ」
「男は心配したくない」
「え、差別だ!」
「うるさい。宏太朗だってもう大人だから大丈夫だよね?むしろ並木よりずーっと大人なんだから」
「…ちぇ」
──
シャワーから出ると、ベッドに座っていた土岐
「おかえり」
「ただいま戻りました」
また笑われた。
「あ、髪乾かしてないの?」
「はい」
「こっち来て」
カバンからドライヤーを取り出した土岐
「はい座って」
ベッドに座らせると、コンセントを入れた
「ありがとうございます…ドライヤー…」
「俺旅行の時家からドライヤー持ってくるんだ」
「そうなんですね」
「たまにホテルのドライヤー風力弱いからさ」
「あぁ、確かに!」
笑った2人。
髪に手が触れている。
その事実に色んな意味でドキドキしているA
だがAより緊張しているのが
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時