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「…っうん、ありがとう」
やっと笑顔が見れた。
本番スタート
拍手と歓声が鳴り響く
「皆さんこんにちは!本日はご来場下さりまして、ありがとうございまーす!」
「こんにちは〜!ありがとうございます!」
土岐の司会に合わせ叫んだA
2人で手を振った。
「ジル役の土岐隼一でーす!そして」
「ミル役、並木Aです!よろしくお願い致します〜!」
「さて皆さん、もう気づいてらっしゃる方もいると思いますが、まずはこちらをご覧ください」
土岐が衣装であるTシャツの両端を引っ張ると、Aもマネをした
その瞬間、会場から笑い声が
「これさぁ、もしかして佐倉が着るやつだった…?」
「恐らく、そうでしょうね…」
「だよね?皆さんすみません、今日佐倉が体調不良で僕が代役になったんですけど、こちらの衣装は佐倉が並木とペアで着るはずだったものなんです。ご存じかとは思いますが2人は姉妹役なのでね!」
Tシャツにはアニメのタイトルと役名、それぞれの決め台詞が書いてあり…
さらにフリルがついていた
「確かに急遽交代したのでね、仕方ないんですけど…ピンクのフリルはダメだよね」
笑っているA
「何で並木が水色着てるの?せめてそっちが俺じゃない?」
「これ発注して頂く際にサイズを指定してしまっているので…」
「え…なんか、ごめん」
笑い声が会場いっぱいに響いた。
2時間後、イベントが終了
スタッフに拍手で送られ、控室へ戻った。
「土岐先輩」
「ん?」
「私、初めてのイベントだったんですけど、先輩のおかげで最後まで楽しくできたと思います。本当に、ありがとうございました。」
「いや…俺、始まる前変な事言ってたよね。なんか終わってみると、少し恥ずかしい」
「そんなことないです。」
「自分のせいだってわかってるけど、気まずい空気のままやりたくなくて…我慢できなかった。ほんと、自分勝手でごめん」
「いえ」
まだ少し怖いけど、普通に話せて嬉しかった。
土岐がTシャツを脱ぎだすと、焦って背を向けた
「あ…ごめん」
「いえ…私はホテルで着替えますね。」
上着を羽織ったA
─……
裏から会場を出た2人
「それでは、こちらで失礼します。」
「うん。じゃ…気を付けて」
「はい。ありがとうございます。失礼します」
頭を下げ、分かれた。
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時