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「うん、このことも土岐には伝えてあったんだ。それから土岐は俺の言葉を無視して暴走するようになった。たぶん制御が効かなかったんだと思う。そんな時、狩野さんに話を持ち掛けたんだと思う」
「狩野…?」
江口が聞くと
「土岐は狩野さんに、並木の足を折るように頼んだんです」
「…」
怒りで震える斉藤
「実行した狩野さんも悪いですが、そんなことを頼んだ土岐が怖くなりました。」
「理由は」
「生活に支障が出れば、並木に近づく口実になるからです。」
「…」
江口がため息をついて頭を抱えた
「狩野先輩にはもう謝罪頂いて、今は助けて頂いているので大丈夫です」
「大丈夫じゃねえよ」
狩野を庇うAに斉藤が言った
「狩野さんは、もう協力できないと土岐に言いました。並木にも、しきたりについて本当のことを話したと思います。そこで、土岐が自分をターゲットにしてると聞いて怖くなったんだと…」
「当り前だろ」
「はい。でも土岐が、今までのことを謝るからどうにかして並木に会えないかと相談を受け…今日、」
「その結果がこれかよ」
「すみません」
寺島が頭を下げると
「寺島先輩は悪くありません、私が一人の時に部屋に上げてしまったのが悪かったんです」
「惇太さんも悪いけどお前も悪いよ…俺前から言ってたよな、簡単に部屋に男上げるなって。何されても文句言えねぇ、自己責任なんだぞって!!」
怒鳴る斉藤に目を瞑ったA
「惇太さん、もう並木に会わないで下さい」
「え…」
「それだけのことをしたんです。俺は絶対に許せません」
「…そうだよな」
でも
「私は大丈夫ですから、そんなこと言わないで下さい」
「大丈夫じゃねえんだよ。自分が何されたかわかってんのか?惇太さんだってお前に気が無ければ、いつかお前を潰してたかもしれないんだぞ!!」
「でも!でも…助けてくれました…っ」
泣き出したA
涙を見ると言葉に詰まった斉藤
「並木が惇太を許せるならいいよ。けど、俺たちは許せないから」
寺島も江口の言葉に納得したのか、頷いていた
「土岐さんとはどうするんだよ」
「きっと、もうプライベートで会うことはないと思います」
「…現場で何かされたらちゃんと言えよ」
「はい」
斉藤の言葉に真剣な表情で返事した
「惇太」
「はい」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時