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"その程度で済んだなら良かった。でも顔の傷に関しては、ちょっと疑問が残るな"
全ての疑問が結びつき、謎が解けてきた。
「それからは土岐と俺で、どちらかが落とせれば潰しやすくなるかと…なんとかして並木と会う機会を増やしていきました。でも…あの日」
「あの日?」
江口が聞いた
「壮馬が並木と部屋で飲んだ後、俺は並木に会いに行きました。そこで、キスしました」
「はぁ?!」
斉藤が立ち上がったが、江口が座らせた
「…」
Aは黙っている
「許可は得てませんが抵抗されなかったので、落とせたと思っていたんです。けど、後から聞いたら並木はあれが夢だと思ってたみたいで…結局付き合うところまでは持ち込めませんでした。けどあの日から…気づいたら俺は本気で好きになってたみたいで」
「…」
「土岐には、何度かもう協力できないと伝えてました。土岐はだったら今までしてきたことを並木に言うと脅してきましたけど…それでもいいと思いました」
「え…でも、土岐先輩からは今日まで何も聞いていません」
「うん、ああは言ってても本気では無かったんだと思う」
「…」
「見合いの話は、江口さんたちには言った?」
「あ、はい。斉藤先輩には……」
寺島がAを見てから江口を見た
「実は並木と見合いしたの俺なんです。」
「私の両親と、寺島先輩のご両親は古くからの付き合いでして…私の母が勝手に、見合いを取り付けました。」
「俺たちは見合い相手がわからないまま、見合いさせられたんです」
「私たちは17年前に一度会っていたんです。」
立ち上がると、引き出しから写真を取り出してテーブルに置いた。
「お互いに忘れてましたが…俺もこの写真を見て思い出しました」
江口は写真を凝視している
「お恥ずかしい話ですが…私思い出したんです。寺島先輩と、初めてお会いした時のこと…5歳でしたが、なぜか鮮明に」
「え…」
「私、寺島先輩に告白しましたよね」
「…っ」
涙を浮かべる寺島
「そして、大きくなったら結婚してと…言ったかと思います。先輩は、私の初恋でした」
「覚えてたんだね…っ」
微笑んだA
「お見合いに関しては、お互いに断りませんでしたので両親は安心していると思いますが…私たちはお付き合いはしていません」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2024年2月25日 13時