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そう、出来るわけないです…佐倉先輩…
「ちょっといい?」
「?はい…」
佐倉についていくと、楽屋へ入った。
「ごめんなさい!!」
ドアをしめた途端、頭を下げられた。
「えっ?!や、やめてください!!」
焦るAに、ゆっくりと顔を上げた佐倉。
「本心で言っていいよ。私たちが理不尽にあなたをバカにしたとき、なんだこいつ先輩だからって調子乗りやがって…とか思ったでしょ!?」
「えぇ!?思ってません!!」
「嘘だよ!絶対思ったでしょ、私が言ったことと違ったとしても何かしらは」
「いえ…言われたことは、真摯に受け止めました。先輩方の言う通りですし、他の先輩にも同じこと言われましたので…」
確かに…何も思わなかったと言えば嘘になるけど…
「本当にごめんなさい。私、努力できる人は好き。これからは、あなたの良き先輩でいたいと思ってる…勝手なこと言って悪いけど、今までのこと、許してくれるかしら…」
「許すも何も、先輩は間違ったことは言ってないので、」
「本当?!」
両手を握り笑顔で叫んだ佐倉。
「は、はい…」
か、可愛い…!!
これは男性に見つめられるよりやばいかも…っ
「ところで」
いきなり低い声になったかと思えば、楽屋の椅子に座り足を組んだ。
「えっ」
「その、先輩って…誰?」
肘をついてAを見上げた表情は怖かった。
「え…?その先輩…?」
「私たちと同じことを言ってあなたをディスった先輩よ…まさかいしk」
「いやいやっ!石川先輩は寧ろ庇ってくれて」
両手を前にブンブン振った。
「え。そうなの…じゃあ誰?」
「いや…それは、あはは…っ」
苦笑いで誤魔化すAに、立ち上がった佐倉。
「ああ、わかった」
「え?!」
「確かあのスタジオであなたと共演してるのは…真礼と」
「ま、真礼先輩は違います!!絶対に!!」
「…ま、そうよね。真礼はそんな子じゃないもんね…すると中村さんか」
「中村先輩も違います!!」
「え?ま確かにそうか。んーじゃあ…江口さん」
「ちがっ違いますぅ!!」
「あ?ちょっと怪しいな…」
今までと様子が変わったAに目を細めた佐倉。
「あの、私の共演者にそんな方々はいません。大丈夫です!」
「そう…え、じゃあ誰が」
「あっえっと、」
その時、楽屋をノックされた
「はい」
佐倉が返事をすると
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時