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ニコッと微笑んだA
恥ずかしくなりそっぽ向いた斉藤
“やっぱ小学生…”
また思われているのであった。
昼食を済ませ午後のレックへ向かった江口と西山。
楽屋に残された二人。
「私、楽屋戻りますね」
気を遣って立ち上がったAだが
「何で」
「あ…先輩、一人になりたいかな、と…」
「別に大丈夫だから。そんな気遣わなくて」
「はい…わかりました。」
再び椅子に座るが、隣の斉藤はこちらに背を向けてスマホをいじっている。
静かに台本を読み始めたA
「…」
「…」
「…」
「…」
沈黙が流れ10分ほど。
Aのスマホが振動した。
カバンから取り出し名前を確認すると、ポケットにしまった。
「出ていいよ」
「あー…ありがとうございます。でも、大丈夫です。後で折り返します」
「ふぅん。誰だったの」
「保住さんです」
「今折り返して」
「え…」
スマホを閉じテーブルに置くと、こちらへ向いた斉藤。
「早く」
「ですが、もすうぐ呼ばれるかもしれません…」
「いいから」
「わかりました。」
折り返すと、すぐに出た。
「あっ有哉くん、ごめ」
喋りだしてすぐ、横からスマホを取られた。
「今夜並木の部屋行くけど、お前も来る?」
「…先輩ですかぁ?もちろん、僕も行きますぅ。最初からそのつもりだったのでぇ」
一瞬静まり返ったが、すぐ明るい声が聞こえてきた。
「わかった。じゃあ後でな」
通話を切って返した。
「あ、あの…今夜…」
「この後スケ無いだろ」
「はい」
「一緒に帰るぞ」
「えーっと…保住さんも来るのでしょうか…」
「そのつもりだったって言ってたけど?」
「そう、ですか…」
「心配すんな。殺したりしない」
「…っ」
驚いて声が出なかった。
江口が戻ってくると、入れ替わりで向かったA
「何話してたの?」
「保住から電話来てたので、俺が話しました」
「えぇ…」
「江口さんも来ますか?今日、並木の部屋で合流するんです」
「合流って…いつの間に仲良くなったの…かな…?」
「何言ってるんですか」
「だ、だよねー…」
「今日、これから、仲良くなるんですよ?」
その笑った顔が怖かった。
「あの…俺も、一応、義務的に参加するわ…うん」
心配過ぎて3人には出来ない…
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時