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翌日
朝から3本のオーディションを受け、番組収録の為スタジオへ来ていた。
昼に着き、楽屋で昼食を食べているとラインが。
“今日20時には行けそう”
既読はつけず放置した。
午後から番組の収録を終わらせ帰宅。
「疲れた…」
ソファに倒れた。
休む間もなくインターホンが鳴る
ため息をついて玄関を出ると、
「よっ」
「…お疲れ様」
笑顔で入って来た保住。
「ご飯食べた？」
「まだ」
「買って来たよ。Aここの中華好きだったよね」
袋から取り出した食事をテーブルに並べている。
「夜はあまり食べないから…」
「ダイエット？」
「うん」
「いいのにぃ。僕はそのままでも大好きだよ？」
「でも、仕事にも支障が出るから」
「そう？何か言われたの？」
「そうじゃないけど、今は声優も表に出ることが多いでしょ。だから」
「あ、そういえば冠やってるよね！」
「うん…」
「今度僕もゲストで行くから」
「…、そうなの…？」
「うん！楽しみにしてるね〜」
椅子に座る保住を見て、その正面に座った。
「じゃあ最近夜は食べてないんだ？」
「まぁ、少し…」
「たまには大丈夫だよ。Aが本気なら僕は協力するし！」
「うん」
「いただきまーすっ」
一緒に食べ始めた。
「どう？」
「美味しい」
「良かった。味変わってないね。僕久々に食べたよ」
「私も」
「付き合ってた頃はよく食べてたよね。僕が食べさせすぎたかな？」
笑っている保住。
昔の楽しかった頃の記憶を思い出していた。
本当に楽しくて、幸せだったなぁ…あの頃。
「有哉くん」
「ん？」
「どうして私に執着するの」
「…」
「本当は私なんて必要ないよね。結婚なんて考えてなかったよね」
「…」
箸を置いた保住。
「本当の理由が知りたい。」
「本当の理由って何。僕は嘘ついてないよ」
「どうしても信じられないの」
「好きって言ったこと？どうして」
「どうしてって…どう考えても、有哉くんにとって何の得にもならないじゃない」
「得って、何言ってんの。好きな人と付き合うのに損得ある？ちょっとひねくれたんじゃない？」
「でも…」
「僕を信用できないからって、そう言い方は傷つくよ。」
「…ごめん。」
「先輩に何吹き込まれたか知らないけど、簡単に信じちゃダメだよ」
箸を手に取り再び食べ始めた。
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2023年10月31日 19時
