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楽屋へ入る江口を追ってAも入っていった。
揃って挨拶すると黙って二人を見ている西山斉藤。
江口が西山の隣の椅子に座ると
「並木も座れば?」
「はい」
斉藤の隣に座った。
「この浮気者」
「ええっ」
ぼそっと呟かれた言葉に過剰に反応してしまった。
「壮馬、ラインでも説明したでしょ」
「…」
江口が困ったように笑ってAを見た。
「やっぱり並木は優しくされると弱いんだね…」
「すみません」
西山に言われ謝ると
「昨日の様子は、誰が見ても俺と同じ行動すると思う。あれは絶対に一人にしておけなかった」
「そんなに?」
「うん。それに、保住は注意した方がいい。」
斉藤を見て言うと
「保住のライン教えて」
「あ、保住さんに聞いてみま」
「聞かなくていい。どうせ無理とか言われるから」
「わかりました…」
斉藤に保住のラインを送った。
「追加されなくてもメッセージを読むことは出来るだろうから」
そう言ってメッセージを送った
「で、何もなかったんですか?」
西山がニコニコしながら聞いた。
「何も無いよ」
「えー本当ですかー?」
「何かあったら旅行も気まずいだろ?」
「確かにぃ。でも男女がひとつ屋根の下にいたら…ねぇ?」
何故か斉藤を見て聞いた西山。
眉間にしわを寄せた斉藤
「んま何かあればこいつをぶっ潰しますから」
笑ってるのか怒ってるのかわからない表情の斉藤、隣のAを親指で指した。
「こらこら」
「江口さんのせいですよ?」
「俺!?」
「それ以外ないでしょうよ」
西山と話している江口
「軽いな」
「え」
「思考軽くする前に身体軽くしろよ」
「はい(確かに)」
「勘違いすんなよ。江口さんは優しいだけ。お前は騙されやすいの」
「はい(その通りです)」
「江口さん以外の家に泊まったらタダでは帰れないと思え」
「はい」
「お前にその気があるならいいと思うけど。軽い女は本命にされないぞ」
「はい(返す言葉もない)」
気をつけなきゃ…
足を小刻みに動かし、落ち着かない様子の斉藤。
──
レックが終わり楽屋へ戻ってくると
「あ、そういえば旅行の話だけど」
「行き先決めました?」
江口と西山が話している
「俺の車で行くから、行ける距離がいいなって思ってるんだけど…箱根はどう?」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時