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泣きそうな笑顔で何度も頭を下げると、楽屋を出て行った。
「壮馬アレルギーだっけ」
「アレルギーじゃないからつけてなかったの。でも捨てるわけにいかないし、たまたま」
「へぇ……つか、忘れ物って…もしかして部屋行ったの？」
「……」
前のめりな西山は放って、足を組み台本に目を通している斉藤。
ちんぷんかんぷんな中村、不思議に思いながらも見ているだけで何も聞かなかった。
「でも、あの指輪は誰のだったんだろう？」
西山の疑問が楽屋に響いた。
──
楽屋へ戻ってブレスレットを眺めてニヤけているA
ふと指輪を思い出した。
それじゃあ、あれは…誰のだろう…
あ、江口先輩か！！
このブレスレットはつけるべきか、しまうべきか…
さっき先輩が、少しでも飾れって言ってたからつけた方がいいよね！
装着すると、楽屋を出てブースへ向かった。
──
「よろしくお願いします」
最初は中村だった。
「仲良くなれたみたいで良かったな」
「はいっ！」
鼻の下が伸びた気持ちの悪い笑顔に、真顔で引いている中村。
レックが終わると、続いて西山が入って来た。
「お願いします」
「ん。ねぇ、壮馬と二人で会ったの？」
「あ、はい…」
「え、マジ。何で二人？もしかして何かされた？」
「何もされてないです！」
「そう…？つか、なんかニヤけてない？」
「ああ…すみません、さっきの…げへへっ」
照れくさそうにブレスレットを触った。
「うわ…さすがにキモいわ…ごめん、ほんとキモい。うん、マジで」
「えへへっ」
「…なるほどね、今は何を言われても平気ってわけね。あっそ」
呆れられたAだった。
西山が出ていくと、続いて斉藤が入って来た。
「よろしくお願いします」
「ちゃんとつけてきたんだな」
「はいっ」
左腕を上げた。
「右利きか」
「え？」
「いや。つか…さっきの指輪だけど」
「ああ、あれは江口先輩のだと思います！」
「…そ」
──
そういえば今日は江口先輩休みかぁ…
他の現場かな
廊下を歩いていると
「あ、並木さん」
「あっお疲れ様です！お久しぶりです」
「久しぶり。どう？壮馬とかとは…」
「はい、石川先輩のお陰で何事もなく順調かと…」
へへっと笑ったA
「それは良かった！あ、あとダイエットも順調みたいだね！」
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2023年10月31日 19時
