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「大丈夫?」
「はい、なんとか誤魔化せたかと」
「誰?」
「寺島先輩です」
「ああ…あいつ勘がいいからなぁ、無理だと思うよ。それに、別に言っても良かったのに」
「そうですか…?」
「うん。あ、保住のことなんだけどさ」
「はい」
「ライン、ブロックした?」
「いえ…」
「ブロックしないの?」
「したいのですが、まだ怖くて…」
「もしかして、あの日以降何かされた?」
「いえ、何も無いです。」
言い切るAを信用できるはずもなく…
「ごめん、俺スマホ見ちゃった」
「…っ、」
「本当にごめん。保住から来てるメッセージも少し読んだ」
「そう、ですか…すみません」
「いや、謝らなくていい。ただ、一人で苦しんでるなら俺らを頼ってほしい。俺らが並木にしてきたこと、まだ償いきれてないから。」
「そんな、私は何も」
「いや、俺らの気持ちだから。宏太朗も、壮馬も同じだと思う。」
「でも、やはりこれは私たちの問題ですので、出来る限りこちらで解決を」
「二人で解決できるとは思えない。それに、今のままじゃ保住の為にも良くない」
「そうですね…」
「こっち向いて」
江口の方へ顔を向けると、顔を近づけてきた。
「メイクしてる時はわからなかったけど、ここにアザがある。それから、腕にも」
袖をまくられた。
「これ、この前までは無かったよな」
「…」
「誰にやられた?」
「私の不注意で、あの…転んでしまって、その」
「下手すぎ」
くすっと笑った江口。
「もうわかったから嘘つかなくていい」
「はい…」
「このまま傷ついていくのを黙って見てるわけにいかないから」
「…?」
「宏太朗と壮馬にも共有させてもらうよ」
「…わかりました、」
テーブルに置いてあったスマホを手に取った江口
「うわ」
「どうされました?」
「惇太からラインきてた…」
画面を見せてきた。
“江口さん抜け駆けは良くないですよー!“
“みんなに言っちゃいますからね!!”
“スタンプ(あっかんべー)”
「すみません、しっかり弁明して下さい!やっ私が」
スマホを取り出すと、止められた。
「別にいいって。それとも並木は俺と噂が広まったら迷惑?」
「え…や、…」
「心配しないで。惇太も本気じゃないから」
「はい…」
西山と斉藤とのグループラインに今日のことを送り、スマホを閉じた。
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時