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“行ってらっしゃいませ”って…さすがお嬢様…くくっ
育って来た環境かなぁ…うははっ
やばい俺のツボかもしんない。可愛すぎる。
さっき笑うの我慢しようと思ったけど無理だったなぁ
並木ポカンとしてたもんなぁ


そんなことを考えながらシャワーを浴びていた。




──





髪を乾かし終わると、ソファに座った。


えっとぉ…
普段家でこの時間何してるっけ?


江口が出てくるまで何をしようか考えながら足をブラブラ揺らしていると、スマホが鳴った。



「…っ!」


驚いて動きが止まった。


仕事だったら早く出なきゃ…


震える手を伸ばしスマホ画面を確認すると、寺島だった。



「お疲れ様です」

「お疲れ様ぁ。こんな時間にごめんね」

「いえ、大丈夫です。」

「なんか心配でさぁ。今一人?」

「今は、えぐ」


あ…やばっ



「えぐ…江口さん?」

「あ、いえ、一人です」

「え、なにぃ〜気になるじゃん」

「いや、エグいくらい寒いなと思いまして」



ガチャ



“ただいまぁ”


勢いよく振り向いたA



“どうした?”


黙って首を振ると、人差し指を口元に当てた。



「あれぇ!?今声が聞こえたよ?!江口さんでしょ?!」

「いえ、違います。」


必死に冷静を保とうとする声が震えた。



「いやいや、声震えてんじゃ〜ん…え、江口さんと二人?」

「違います。部屋に一人です。実は今、共演させて頂いているので、YouTubeで先輩方の演技を見て勉強させていただいています」

「ほえ〜じゃあ、さっきのもう一回流して?」

「さっきの…?」

「さっき、“ただいま”“どうしたの?”って聞こえたけど」

「そうでしたか?すみません、もう消してしまいました。」

「んーまぁ、履歴からいけるけどねぇ。でもいいや、言いたくないこともあるよねぇ〜」


笑った寺島。



「ととところで先輩、私に何かありましたか?」

「や、だからぁ心配で電話しただけだよ。ラインしても返事なかったからさ」

「申し訳ありません、ずっとスマホを見ていませんでした。」

「ちゃんと見なきゃダメだよ?仕事の連絡だってあるんだからね?」

「はい、わかりました。」

「たぶんこれ2回目だよ?次はないぞーっ」

「はい、しっかり確認するようにします!」

「よろしい!じゃ、またねー」

「はい、お疲れ様でした。」


電話を切ると、隣に座っていた江口。





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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時

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