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「はい…でも、他の方に知られるのは、やっぱり恥ずかしいです…」
「…わかった。まあ気をつける」
「ありがとうございます」
優しい斉藤に、心底嬉しかったA
「じゃあ梅ちゃんと、あとは…」
「そんなに人数多くても面倒だから、それくらいでいいよ」
「そうだね！じゃ日程とか組んでもらうの江口さんに任せよう」
「そうしよ」
“えっ”
Aが心配そうな表情をした。
「江口さんに任せとけば間違いないから、並木は後輩なんだし、俺らに任せて」
「わかりました。よろしくお願いします」
楽屋を出て自分の楽屋へ入ると、カバンの中でスマホが振動している
急いで手に取ると、電話に出た。
「はい！」
「並木ー！！」
「は…っはい…！」
「何で電話出ないんだよぉ〜」
「申し訳ありません…」
「昨日からずーっと無視してんじゃんよぉ〜俺寂しかったんだよ？」
「本当に申し訳ありません…」
楽屋で一人、何度も頭を下げている
「俺傷ついちゃった…だからお詫びに、今日ご飯作ってくれない？」
「はい…わかりました」
「やったぁーじゃあ終わったら行くね！ばいばーい」
電話が切られ、画面を見ると大量のメッセージと不在着信が。
うわぁ…ほとんど寺島先輩だぁ…
今日は腕によりをかけてお詫びしなくちゃ。
トーク画面を見ていると、土岐からもメッセージが。
“ちょっと話があるから、今日行くね。“
話…？
“わかりました”
それだけ返すと、何も考えずレックへ向かった。
――…
レックが終わり、帰りに買い物を済ませ帰宅した。
外はすっかり暗くなっている。
エレベータを降り鍵を差し込みドアを開け中に入った瞬間、後ろから突き飛ばされた。
「きゃっ」
転んだ時、口を床に打った。
ドアが閉まる音がして顔を上げるが、全身を打ちうまく動けない。
「おかーえりっA」
電気もつけず暗闇の中、足音が通り過ぎる。
頭の前で止まると、しゃがんだ。
「待ってたよ。今日もお疲れ様。」
顔を見なくても、その声でわかる。
「大丈夫？」
前髪を鷲掴みにされ、無理やり顔を上げられた。
「はぁ〜これ痛かったなぁ。」
「…うっ」
そう言って揺さぶった。
「彼氏が先輩にいじめられてるってのにどうして助けないの？Aも怖かったから？」
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2023年10月31日 19時
