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翌日
「…はぁ……っ…！！」
勢いよく上体を起こすと、ベッドの上だった。
カーテンから光が漏れている。
手を額に当て息を整えた。
何だ…夢か…良かった…
深呼吸をしてカーテンを開けると、快晴だった。
変な夢だな…
寝室から出て洗面台へ向かおうとリビングを通ると、
「ん…？」
何かが足に当たり、しゃがんで手に取った。
「指輪…？」
ああ、斉藤先輩が忘れたのかな…
カバンに入れると、身支度を始めた。
──
スタジオ到着
「はぁ…」
ため息をつきながら楽屋前を通り過ぎたA
「おい！！」
後ろから大声が。
振り返ると、楽屋のドアに斉藤が立っていた。
「あ…」
「挨拶無しかよ」
「すみません、おはようございます」
「何ぼーっとしてんだよ」
「すみません………はぁ」
無意識にため息が出てしまった。
「なんだよ、何かあったのか」
珍しく優しい言葉をかける斉藤に、目を丸くした。
「…その顔うざいな」
「あ…すみません…失礼します…」
「はぁ？おい、ちょ……なんだよ聞いてんのに」
──
楽屋
「何で…」
なんであんな夢みたんだろう…
気持ち悪いなぁ私…
ため息が止まらない中、カバンから台本を取り出した。
その時、指輪が目に入った。
「あ…そうだ」
台本片手に楽屋を出た。
──
先輩の楽屋へ戻って来たA
開いているドアをノックすると、３人が注目した。
「あ、先輩方おはようございます。」
中村と西山に挨拶した。
「おう、おはよ」
「おっはよー」
二人の正面に座っていた斉藤の隣に立った。
「すみません、これ忘れものです。」
手のひらに指輪を乗せ差し出した。
その指輪をジッと見る斉藤
「…俺のじゃない」
「え？」
斉藤の指を確認すると、指輪をしていた。
「あ…そうですか…すみません」
「……お前アクセサリーとかつけないの？」
「はい…アレルギーなんです」
すると、何やらカバンを漁っている
「やるよ」
「え…っ」
手に乗せられたのは、シンプルなシルバーのブレスレットだった。
「それ金属アレルギー加工してあるから」
「えっ…でも、いいんですか？私に」
「少しでも自分飾らないと、一応表出てんだからさ」
「ありがとうございます…！！大切にします！！」
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2023年10月31日 19時
