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「ほー…」
西山が呆気にとられていると
「それで並木は努力してきたんだね。確かに、外見より中身を磨く方が人生においては大事だよね。でもさ、今の並木は更に努力してるから、さっき言ってたダイエットも成功したら、宝石が似合うようになってると思うよ。並木は飾りたくないかもしれないけど、並木に相応しい物があると思う」
「まぁ確かに、痩せたら綺麗になるかも」
「宏太朗もそう思う?」
「はい」
「だって。だから頑張ってみなよ」
二人に言われ、嬉しくて笑ったA。
“はいっ”と元気に返事した。
すると
「ほら食え」
斉藤が寿司を箸で口元へ近づけた。
「好きなんだろ」
「はい…でも、先輩が」
「トロは一つで十分なんだよ」
“壮馬の歳じゃもたれるもんねぇ”
西山の言葉に
「宏太朗もね」
すかさず返した。
「では頂きますね」
もぐもぐしながら気づいた。
あれ…私の箸、目の前にある。
今のって…?
チラッと隣を見ると、斉藤が寿司を食べている。
無意識にジーっと見ていて気付いた。
やばい、リップついてる…
割り箸にピンクが…
「どうした」
「いえ、何でもありません」
何で平気で食べてるんだろう
え、私がおかしいのかな
皆これが普通?
箸が止まっていると
「並木、何か苦手なもん入ってた?」
江口に聞かれた。
「あっあの、えっと、ウニが」
「ウニ苦手?」
「はい…」
「じゃあ俺が」
江口が箸を伸ばすと
「俺がもらいます」
斉藤が横取りした。
「あ…」
なんだか可哀想な江口が可愛かった。
数分後
「「「ご馳走様でした」」」
皆食べ終わった。
“ブーブー”
並木のスマホが振動した。
気にはなったが放置すると、連続で震えた。
電話かと思い手に取ると
“寺島でーす”
“(スタンプ)”
“並木さん?”
“あれ?届いてるー?”
“(スタンプ)”
“惇太ですけどー!”
“(スタンプ)”
「あ…」
「どうした?」
「いっいえ」
スマホをポケットにしまった。
「もう23時なんだけど」
「じゃあ今日は解散にするかー」
「はーい」
「はいっ」
部屋を出ると、エレベータまで斉藤と西山を見送り、自宅へ帰った。
「ふぅ…」
何気なくスマホを取り出すと
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時