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皿洗いが終わると、ソファーに並んだ。
緊張して固まっていると



「抱きしめていい?」


そう聞かれ、声が出ずただ頷くだけだった。



「ぎゅーっ」


そう言いながら隣から抱きしめてきた。



「可愛い。もう好きって言っちゃったようなものだから、何度言ってもいいよねっ。好きっ大好き」


自分のどこにそんなに魅力があるのか…わからない。
でも、嬉しかった。ものすごく。



それからほぼ毎日家に通うようになって、
たまに私が有哉くんの家に遊びに行ったりして…半年が経った。

私も彼に慣れてきたころ。



久しぶりに夕食を作りに行こうと食材を買って部屋に向かった。





ピンポーン…



待っても出てこないことから留守なのだと思い合鍵で中へ入った。





「お邪魔します…」


小さな声で廊下を進むと、浴室からシャワーの音が。
食材をキッチンに置くと浴室へ。



「有哉くん、A来たよ」

「えっ」


慌てて出てきた。



「あ、A…どうして」

「夕飯作りに来たよ。どうしたの慌てて」

「いや…ちょっと、あの…Aも一緒に入らない?」

「私はいいよ、入って来たし…ははは…」


何か違和感を感じ、脱衣所を出ようとすると腕を掴まれた。



「待って!」

「なに?」

「ちょっとここで待ってて」

「え、どうして」

「実は…サプライズを隠してて、Aが来たら驚かせたかったんだ。だから、ちょっとここにいてくれる?」

「わかった」


タオルを巻いて出て行った。





数分後





“えっ”

バタバタバタ…


女性らしき声と、足音が聞こえてきた。



「へ…っ」


ドキドキしながらそっと戸を開けると、玄関に髪の長い女性の後ろ姿が。
その後ろに保住がハイヒールを持って立っている。

脱力して腕をだらんと下した。
呼吸が苦しくなって、だんだんと視界がぼやけてきた。

女性が玄関を出ると、鍵をしめた保住、振り返った。
勇気を出して脱衣所を出たA



「ほんと…すごいサプライズだねっ」


頑張って笑顔を作ると、涙がこぼれた。



「ちが…あれは妹なんだ。でも、Aが見たら絶対誤解すると思って」

「そっか。妹さんいたんだ。邪魔しちゃってごめんね」


リビングへ行き上着とカバンを手にすると、玄関へ向かった。



「待ってA」

「食材はキッチンに置いてあるから、食べていいよ」

「話聞いて」

「最後に聞いていい?」





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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時

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