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ため息をついて江口の部屋へ入っていった。
後を追いリビングへ入ると
「お疲れ様です」
入って来た男を見て心底驚いている江口、西山。
“マジか…”心でつぶやいた。
「座って」
「はい」
江口に言われ、適当に座ると、隣に座ったA
「単刀直入に聞くけど、お前は並木と別れたくないの?」
「はい」
斉藤の問いに笑顔で答えた。
「並木が電話で一方的に別れたって言ってたけど、納得できずに連絡続けてる感じ?」
「はい」
「何が納得できないの」
「だって一方的すぎるんですよ?」
「けど、一方が別れたいって言ったらもう無理だろ。自分が納得できなくても、相手に気持ちが無いのに続けるのは」
「あるんですよ」
「は?」
「あるんです、Aは俺のことまだ好きなんです」
「…」
怪訝な表情で見る斉藤、男は笑顔のまま続ける
「だってAは、俺がいなきゃ生きれないから」
「…何言ってんのお前、大丈夫か」
「先輩たちは知らないんですよ。こいつがどれだけ非常識で世間知らずか」
「何が」
「だってそうでしょう?今だって、先輩たちを巻き込んで何してるんですか?」
「だからさっき言ったろ、俺が呼べって言ったって」
「それでもそれを素直に受け入れるのは…普通気を遣ってるって気づきますよ」
「いや俺らが何度も押したからだよ」
「まあそれ以外にも、我がままですしねぇ。」
「つか…お前がそんなこと言える立場じゃないと思うけど。いろんな現場で先輩たちに聞くけど、お前嫌いな人は先輩であろうと挨拶しないらしいじゃん」
「…」
「その点並木は俺らに何言われてもちゃんと挨拶してたぞ?」
「…新人はそれが当たり前で」
「新人も後輩も同じだけど?挨拶もろくに出来ない奴が何言ってんの」
「挨拶しましたけどね」
「あ?」
「嫌いな先輩にも、挨拶しましたよ?さっき」
少し曇っていた表情も、また明るくなった。
「お前俺らなめてんの?」
「え、そんなことないです!先輩たちのこと尊敬してますし。ただAとの関係については、口出ししないでほしいんです。ほら、こいつお嬢様じゃないですか、だからまともな話は出来ないので。こいつの言うことは全部鵜吞みにしないでしないで下さい」
「お前…よくこんなクズと付き合ってたな」
「あははっ、先輩もわかりますか?」
立ち上がった斉藤
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時