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「あっ」
「何やってんだよ、来いよ」
「あー…あの、斉藤先輩が…」
「やっぱりか…ごめん、俺が呼んだんだ。お前と仲良くしてほしくて」
「そうだったんですね、わかりました…」
「ん、宏太朗も来るから一緒に待ってよう」
「はい」
江口の部屋に入ると、リビングへ通された。
「お疲れ様です…」
「ああ。………つかお前、昨日のこと覚えてないの?」
「え?昨日………ああ!!」
「思い出した?」
「すみません!!」
正座をしていたA、そのまま頭を下げ床にデコをぶつけた。
「え、なに!?」
江口が驚いていると
「昨日、酔って帰ってきて…俺が部屋まで入れたんですよ。そしたらこいつ、寝ぼけて俺の顔を叩いて」
「え…ぶはっ」
笑い出した江口、それを見てつられて笑ったA
「おい、お前までなに笑ってんだよ」
「あ…すみません…確かに斉藤先輩が部屋にいたのは覚えてるんですよ。でも、昨日飲んでたのは土岐先輩だった気が…」
「そうだよ。土岐さんが送ってくれたんだよ」
飲み物を持ってきた江口
「じゃ何で壮馬が介抱してんの?」
「え…それは、まぁ…ちょっと、こいつに用があってたまたま会ったと言いますか…」
「ふーん?たまたまね…?」
「ま、ちょっと話があったんですよ」
「それは何?俺の前では出来ないことなの?」
「そうです」
「え!?隠し事!?俺らの間に?!」
「ま…すみません」
すると
「え、何かあるんですか!?」
「今はいいよ、後で」
「後で…わかりました」
胸に手を当て顔を赤らめた。
「変な想像すんな!!」
「えっ私は何も…!ただ、何かなって…何かなって!!」
「あーもうわかったから後でな」
不思議そうに二人を交互に見ていた江口。
すると、江口のスマホに着信が
「はーい」
「あっおはようございます〜」
「おはよ、どうした?」
「ちょっと並木さんに聞きたいことがあってぇ、連絡先教えてもらえませんか?」
「ああ、今一緒にいるからかわろうか」
「あ、お願いします〜」
スマホを黙ってAに渡した。
首を傾げながら受け取ったA、恐る恐る耳に当てると
「はい…」
「あ、並木さん?おはよう、寺島だけど〜」
「ああ!おはようございます!」
「ごめんね、ちょっと聞きたいことがあって」
「はい、何でしょうか?」
「部屋に指輪なかった?」
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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時