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震えた声でそう言うと、カバンと上着を奪い靴を履けてないまま足早に出て行った。



はぁ、なんだよ。酔いが冷めちゃったじゃねぇか…


雑に頭をかいてエレベータを待っていると



「あ!」


声に驚いて振り向く



「壮馬お疲れ〜どうだった?」


寺島だった。



「お疲れ様です…え、どうだったとは?」

「壮馬も、並木さんが好きなんでしょ?進展はあったの?はっ、もしかしてキスとか」


両手で顔を覆って”キャー”とはしゃいでいる



「冗談やめて下さい。それでは」


エレベータに乗り込んだ斉藤、帰って行った。



「……冗談くらい言ってもいいじゃん」



シュンとして階段で帰ろうとするが、ふとAの部屋まで来てしまった。


少し考えてインターホンを押した。





──……





ピンポン……





「んう…えぇ……?」


ソファで寝落ちしそうになっていたA

寝ぼけながら玄関へ向かうと、そのままドアを開けた。



「はい…」

「あ、並木さんっ」


笑顔で手を振った寺島。



「あ、こんばんは…」


頭を下げると
あ、さっきも会ったっけ…と思い出していた。



「ちょっと、話がしたくて…でもごめん、眠そうだね」

「ああ…大丈夫ですよ、」


断れるわけもなく、苦笑いで部屋の中へ招いた。


リビングへ入ると、後ろからついてきた寺島が電気を消した。



「えっ」


キッチンで飲み物を用意しようとしていたA、驚いて声が出た。


すると



「ほら、見て」


カーテンを半分開け、空を指さした。



「あ…」


隣に来たA、久々に見上げた夜空だった。



「今日は満月なんだよ」

「綺麗ですね…」

「…並木さん」

「はい?」


寺島の方へ体を向け見上げた。



「壮馬と、何かあった?」

「へ…?あ、えっと…何も…」

「もしかして、付き合ってる?」

「そ、そんなわけ」

「さっき会ってから2時間くらい経って出てきたよね、壮馬」

「ああ…時間が過ぎるのは、早いですね」


笑顔を見せると、ずっと空を見ていた寺島が真剣な表情でAを見た。



「本当に何も無いの?」

「はい…」


近い距離で向き合っていることが恥ずかしくなり、下を向いた。



「そっか。それならいいんだけど」

「はい…」

「彼氏は?」

「いません、」

「好きな人は?」

「……っ、」


黙り込んでしまった。



「いるんだね。わっかりやすいなぁ」


やっと笑った寺島。




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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時

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