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「俺と同じって、」

「へへっ」

「さっき必死に止めようとしてたのは、惇太も好きだからだったのか…」

「はいっ。江口さん、惇太"も"って、やっぱり」

「うるさい。つかそれなら、何で俺を応援してんだよ」

「え、してませんよ?」

「は?」





──





「あはは…」


完全な作り笑いをしたA



「じゃあ今回俺がお前に下すミッションは」


ミッション…て



「好きな先輩に告白してこい」

「……え?」


少し考えこんだ。



「だから、お前が声優になろうと思ったきっかけがあるだろ。憧れの声優とか、それ」

「ああ…え、でも告白は」

「何でも言うこと聞くって約束だけど」

「ええ、まぁ…ですけどいきなり」

「言い訳は聞かないよ。んで、誰なの」

「えーと…」

「まぁいいや。誰でもいいけど、告白するとき俺も一緒に行くから」

「え?!保護者同伴ですか!?」

「誰が保護者だ!!」


テーブルをグーで叩いた。
よく見ると頬を赤くして今日は酔うのが早いみたいだ。


先輩、オヤジみたい…



「いいか、わかったか」

「はい…やらなかったら、どうなるんでしょう…」

「お前が想像も出来ないことしてやるよ」

「えぇっ」

「まあ決まったら連絡…や、3日以内で」

「うう…でも」

「でもでもうるさいんだよ。じゃ俺は帰るから」

「えっ」


立ち上がって歩き出すと、上着も着ないで玄関へ向かった。



「あ、先輩!」


上着とカバンを手に追いかけると



「あの」

「なに」


足元を見て靴を履きながら答えた



「告白しますけど…断られても、いいんですよね」

「はぁ?バカじゃねぇの、断られるの前提だから。誰がお前なんか」

「じゃあ………好きです」

「……は?」

「斉藤先輩が好きで、この業界入りました。私のきっかけは、先輩です」

「……」


虚ろな目でAを見つめた



「お前何言ってんの。気持ち悪いな」

「本心です」

「お前…っ他の先輩に告白して恥かくくらいなら俺で済ませようとしてるな」

「え、ちが」

「違うか…仮に成功しても、俺が今回のことバラすかもって警戒してるのか。賢いなぁ」


靴を脱いで目の前まで歩いてきた



「俺が好きなんだ?」


顔を近づけ頭を撫でた



「先輩」

「なんだよ」

「本気です」

「…っ、」


その言葉と目に不覚にもドキッとしてしまった



「先輩からかうなんて度胸あるな」





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作者名:のまじゅ♪ | 作成日時:2023年10月31日 19時

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