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「夢の中に男の子が出てくるの。私の名前を呼ぶんだけど、顔ははっきり見えないの。でも、声に聞き覚えがある気がして」
「えっどんな声だったの？」
「私が中学生くらいだったんだけど、男の子はもう少し上かな…声は…どう説明すればいいんだろう」
「高いとか低いとか、うーん…」
「えっと中低音な感じで…」
料理が運ばれてきた。
「そっか、気になるね…また夢をみたら教えてよ」
「うん、わかった。西山さんは夢みた？」
「僕はみてないねぇ、たぶんすぐ忘れちゃうんだよ」
「あ、でも夢って忘れたほうがいいんだってね。話しちゃダメなんだって」
「何で？」
「リアルと区別がつかなくなるみたいだよ」
「うっわこわっ」
食事を済ませ、観光を兼ねて通っていた学校や遊んだ場所まで知りたいと言ってくれた西山を案内した。
「明日は何時に帰るの？」
「決めてないよ」
「じゃ一緒に帰ろうよ」
「ダメじゃないかな…」
「何で？」
「その、今回のロケ番に私が出演してるなら一緒にいてもいいけど、関係ないのに一緒にいて写真でも撮られたら大変。」
「そっか…確かに。また帰ったら会おうか」
「うんっそうしよう！今の変装は完璧だから大丈夫だよ！」
親指を立てたA。
夕飯を食べに居酒屋へ入った。
「西山さんも優しい声をしてるよね」
「そう？」
「うん、ふわふわして、いいなって思う」
「ありがとう。」
「でも正直、たまに思うんだけど…それって疲れないかなって」
「えっ」
「なんか、本当の西山さんじゃない気がして。気のせいかもしれないけど」
「そうかな…」
そういうこと言うんだもんなぁ。
もっと気持ちもっていかれちゃうよ。
「私の前では普通なの？普段家で一人でいる時と同じかな」
「どうだろう…自分で気づいてないかもしれない」
「そうだよね。でも私に気遣ったりしないでね」
「Aさんもね」
店を出ると、歩き始めた。
「あ、そうだ。見せたいものがあるの」
「えっなになに？」
「お楽しみにしようかな。少し歩くんだけど時間大丈夫？」
「明日帰るだけだから何時でも大丈夫」
「じゃあ行こうか」
他愛もない話をしながら20分ほど歩くと
「到着！」
話に夢中になっていた西山、周りを見て驚いた。
「わ…っすごい！」
イルミネーションに囲まれていた。
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作者名：のまじゅ♪ | 作成日時：2021年12月29日 23時
