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目「…朝帰りとかして、親に怒られねーの?」
いつの間にか横に並んで歩いていた目黒にそう聞かれた。
「私、一人暮らししてるの」
「母は小さい頃に亡くして、父には暴力振られてたから1人で逃げてきたの。」
目「…」
目黒は何も言わず、私を見つめるだけだった。
「しんみりしないでよ笑 もう慣れてるし大丈夫。」
何も言わない目黒に、私は笑いながらそう言った。
目「強がんなよ」
「…え?」
目「辛かったんだろ、ほんとは今も」
目「俺の前では素直になれ」
そう、目黒はまっすぐ前を見ながら言った。
あー、全部お見通しなんだろうな 彼には。
私が数年間苦しめられていたことが、すーっと消えてくような感覚になった。
…
「ここで大丈夫、」
目「…今日はもう家から出んなよ」
「はいはい」
気づいたら、私の家まで来ていた。
''いい'' と言ったのに目黒は ''最後まで送る'' と私の話を聞かず、家まで送ってくれた。
「じゃあね」
目黒にそう言い残し、家へと入った。
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作者名:Sua. | 作成日時:2022年8月17日 23時