黒虎目石【黒】 (ページ11)

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目黒side

俺は夜、この街でキャッチをしている

給料もいいし、知り合いに会うこともないからこのバイトを選んだ。

今日もいつも通り、仕事をしていた

ふと通りに目をやると、行き交う人の中に、遠くから男女の姿が見えた

なぜが俺は、その人たちから目が離せなかった

…は？

見間違えだと思った

その男女から目が離せなかったのは偶然ではなく、必然

間違いなく、女の方は同じクラスの ''佐野A'' だった

(…なにしてんだよ)

流石に俺でもわかる、恋人同士でもない男女が

今からネオンが光る街に行くことぐらい。

いつもの俺なら、見なかったことにするはず

余計なことには巻き込まれたくないし、人に興味が無いから。

けど、あいつを見た時、本能的に身体が動いていた

じっと見つめながら近づく俺に、相手も俺の事に気づいていた

そしてわざと横を通った声は掛けずに。