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「俺はAヌナ位のボブが好きですけどね。」
ユジン『グギは短めが好きなの??』
JM『えー?お前もロング好きじゃなかった?』
TH『俺は絶対ロング派♪』
Aヌナが受けた虐めを思い出し、
あの時どんな気持ちで我慢してたのか…
今どんな気持ちでこの話を聞いているのか…
知りもしないこの3人を
責めることは出来ないけど、
それでもいたたまれなくて…
「ねぇAヌナさ、飲み物買い付き合ってよ♪」
『ん?うん、いいけど…』
JM『お前1人でいけないのかよー?』
「んふふ、はい、僕1番年下なんで。笑」
出来る限りの平然を装って彼女を
その場から引き離した。
手を引いてずんずん進んでいく俺に、
『ちょ、ぐぅ?自販機あっちなんだけど?』
「いや、あそこのコンビニのが飲みたいんで。」
『ふふっ、ぐぅ?』
「ん?なんですか?」
『…うぅん、ありがとうねって。』
そう言った彼女は、
俺があえて誘った事を察したんだろう。
困ったように微笑む。
「…俺、なんか悔しくて。」
『え?』
「Aヌナだって酷い仕打ちをされたのに…
それなのにそれを知らないから3人は。
だから平気でロングヘアーが好きなんて…
いっそ切ろうかな〜なんて…そんなこと…」
俺がそう話すと、
ヌナは頭をぽんぽんと撫でながら
『ぐぅ?それは言わない約束でしょ?』
「…分かってるけど、
なんかヌナばっかりつらい気がして。」
『うぅん、そんなことない。
ユジンちゃんだってたくさん傷付いたし、
テヒョンだってたくさん傷付いた。
だから皆それを背負って今生きてる。
それにね?』
「それに?」
『私にはぐぅって言う頼もしい弟が居るから。』
だから大丈夫なんだよ?
そう言ってわしゃわしゃっとして
俺の頭から手を離すと、
戻ろう?
そう言って俺の手を引くんだ。
“頼もしい弟”…か。
「ねぇ、1個聞いてもいい?」
『うん?』
「ヌナはさ、まだヒョンの事好きなの?」
『んーー…うん。でも気持ちを伝えたりしないよ?』
「どうして?」
『それは、テヒョンが困るから。』
俺とヌナは、今同じ気持ちなんだ…
好きな人を困らせないように
ひっそり思い続けて…
「それはいつ終わるの?」
『んーー…いつかは終わるよきっと。』
そう言いながら鼻をすすった
彼女の横顔は、
俺には手が届きそうもない位
美しくて悲しくなった…
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作者名:ぽんさん。 | 作成日時:2023年11月15日 18時