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───────…
───…
そう呟いた俺の言葉は…
『…ふふっ、また気を遣わせたね?』
私は大丈夫、
そう強がる彼女の心には届かなかった。
そして俺も
「まぁでも、
ヒョンとAヌナなら大丈夫だよ。」
強がりを言って笑ってみせるんだ…
そうすれば彼女も、
頷いて微笑むから。
だけど、
やっぱり気になる。
この人の涙はどこにあるんだろう…
この人の心は誰が救うんだろう…
俺なら、俺だったら…
そんなことを考えながら歩いていると、
『ねぇ、ずっと思ってたんだけどさ?』
「ん?」
『私日本人だからジョングクのグクって
なんとなく発音しにくいのね?』
「そうなの?」
『うん、だから”ぐぅ“って呼んでいい?』
「ぐぅ?別にいいけど…」
『ほんと?よかった、ふふっ』
そう言って微笑む彼女。
俺についてそんな事を考えてたなんて
初めて知って、
確かに彼女はあまり俺の名前を
呼ぶことはなく、
ってかそもそもあまり男の名前を
発してるのを聞いてなかったから
気になったこともなかったけど…
「ジミニヒョンはなんて呼んでんの?」
『ん?ジミナ。』
「じゃあテヒョンイヒョンは?」
『テヒョンイ。』
「俺は?」
『ぐぅ。え、やっぱやだ?』
「ふふっ、うぅん、むしろ良い。」
『ふふっ、何それ。』
俺だけあだ名。
さっきまで複雑な気持ちを
抱えてたのに
たったこれだけのことで
俺の心はパッと光が射すんだ。
やっぱり、好きだ…
でも、
だからこそ伝えちゃいけない。
優しい彼女の事だから、
断るのが当たり前なのに
きっと自分のせいにしてしまう。
テヒョンイヒョンと彼女の幸せを
願わなきゃ…
こうしてヒョンの弟分として
そばに居て、
困った時は支えてあげる。
守ってあげる。
この時はまだそう思ってたんだ。
『じゃあ、私こっちだから。』
また明日ね?
そう言って手を振って別れた後、
俺はヒョンにメッセージを送る。
JKちゃんとユジンヌナと話して下さい。Aヌナが不安になります。
しばらくして既読が付いて、
THうん。わかってる。
そう返信が来たから、
これで大丈夫だと安心して
スマホをポケットにしまった。
そして翌日の放課後、
ヒョンは俺達の見てる所で
ユジンヌナを公園に呼び出した。
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作者名:ぽんさん。 | 作成日時:2023年11月15日 18時