４ ページ5
──────…
────…
“命の瀬戸際で出会った２人”
それを聞いて、
彼女の言葉がストンと腑に落ちた。
テヒョンイヒョンが彼女と居ることで
変わった理由も。
俺が彼女を想う気持ちなんて、
この２人からしたら
ものすごくちっぽけだな…
そんな風に少し感傷的に思った、
彼女と出会って２度目の夏。
あの出来事から1年が過ぎた頃の彼女は、
髪も少し伸びてそれを整えたみたいで
ウイッグも必要なくなったらしい。
TH『A、ここ教えて？』
『んーー、そこはこうしてこうしてっと…』
TH『さすがA、天才♪』
『ふふっ、テヒョンが理解力あるからだよ。』
遠目から見ても相変わらず仲の良い２人。
俺が後をつけた日から、
彼女が旧校舎に行く所は見ていない。
もう、いじめられてないかな？
それをヒョンの前で聞くことは出来ないし。
「ヒョン、Aヌナ、楽しそうに何してるの？
僕も混ぜて下さいよぉー！」
TH『え〜？！英語の課題に？』
『うん、一緒に勉強しよ〜！』
「え、勉強ならいいです。帰ります。」
『そんなこと言わずに、ね？』
そう首を傾げて誘われたらそんなの、
「……少しだけなら。」
断れるわけないよ。
ほんと、
ずるいとさえ思うこの笑顔。
でも、
テヒョンイヒョンに向けられる笑顔には
勝てないんだよね。
これが恋人との差ってやつ？
テヒョンイヒョンに向けられる笑顔は
とろけるほど甘い。
羨ましい気持ちと、
微笑ましい気持ちとが交差する。
そんな毎日を過ごしていたある日…
ヒョンの学年にまた１人、
転校生がやって来たんだ。
それはジミニヒョンも俺も
知ってる顔。
TH『...、』
『わっ！テヒョンイ？！！
ジミナもグギも久しぶりじゃん元気だった？！』
なになに？
皆勢揃いじゃーーん！
そう言って明るく話し掛けて来たのは
中学時代の時に出来たテヒョンイヒョンの
初めての彼女、ユジンヌナ。
ﾕｼﾞﾝ『テヒョンも、だいぶ背伸びたね？』
そうヒョンに触れようとした瞬間、
TH『触んなって。』
ﾕｼﾞﾝ『あぁ、ごめんごめん！♪』
手を払い除けるヒョン。
久しぶりに見たこんな恐い顔。
TH『俺、１人で帰るわ。』
ヒョンの言葉にハッとしてAヌナの
方を見ると、
何かを察したような表情をして
寂しそうにポツンと立っていて
そんな顔初めて見たその横顔が
何だか切なくて…
そんな張り詰めた空気を一変したのが、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽんさん。 | 作成日時：2023年11月15日 18時
